佐賀とアフリカを結べ!園田隆克の野望〈九天組長インタビューfile2〉

11/30(土)15:00
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九天玄氣組・組長の中野由紀昌が組員に直撃インタビューするシリーズ企画。今回は佐賀県鳥栖市に拠点を置く園田隆克さん。セスナで空を飛び、ロック・クライミングもするアウトドア派でありながら、いつも耳にヘッドセットをつけている電気管理技術者。今はアフリカのスーダンやエジプトとの新ビジネスにも着手しているというから驚きだ。その正体はいかに!? (TOP写真:ハルツーム大学日本語学科の学生と)

 

ーー生まれも育ちも佐賀県の鳥栖ですね。お仕事は電気関係だそうですが、耳につけているソレは何?

 


耳にはヘッドセット。入浴、睡眠時以外ほとんど装着しっぱなし

 

ヘッドセット、気になりますか(笑)。これは、運転中であってもお客様からの漏電や停電、相談の電話対応ができるようにスタンバイしてるんです。数年前より父の電気管理の仕事を引き継ぐかたちで、工場やビルに設置されている高圧受電設備の点検・管理業務を行っています。定期的な点検はもちろん、突発的なトラブルに対処します。お客さんのコールには24時間365日、オンデマンドで待機しています。(と話している最中も、ヘッドセットにお得意さんからコールが…)

 

電気管理の仕事で飛び回る毎日。ただいま点検中


ーー気が休まらないですね。これまでずっと電気のお仕事一本ですか?

 

じつは僕、化学が専門なんです。名古屋大学では6年間、応用化学を専門に研究していたんですよ。でも、大学進学の条件として父親から出されていたのが、電気主任技術者試験第三種を取得することだったので、大学院生の時に取得しました。「電気はつぶしがきく、食いっぱぐれることはない」からとね。卒業後は北九州市の小倉にあるTOTOに入社して、腰掛便器やウォシュレットの研究開発や商品企画に携わっていました。8年勤めたあとに転職して、岡山・倉敷の日本合成化学工業(現:三菱化学)で酢酸とエチレンの共重合によって酸素を通さない性質を持つ樹脂を製造する研究や用途開発をしていました。そのあと家業を継ぐために佐賀へ戻り、電気管理技術者として走り回っています。基本一人ですから、やむをえない事情で行けない時のために、2~3人のグループをつくってお互いにフォローできる体制をつくって対応しています。

 

ーー 分野や職場に固執せず、未知へ飛び込む姿勢は編集的ですね!電気管理のお仕事の傍ら、海外事業にも着手されているそうですね。

 

家業を継ぐだけでなく、以前から自分で事業を起こしたいと考えていました。いま取り組んでいるのが、新興国との協業です。日本の行政や企業と新興国の政府や現地企業とマッチングをして、技術面や環境面に寄与しながら経済を活性化させようというビジネスです。長年の友人であり、ザ・スリービー代表取締役の石田和靖氏が主催する「越境会」の活動に刺激を受けて、現在はアフリカのスーダン、エジプト、そして沖縄の竹富島との協業を図るため、各地を往来しています。

 

たとえば環境に配慮した設備や技術を導入するとしても、そこで働く人材をどう確保するかが重要だったりと、トータル的な視点でプランニングする必要があります。いずれは現地に会社を作って、海外事業に本腰を入れたいと考えているんです。エジプトやスーダンの人たちは日本に対して好印象を持っているんですよ。この事業を通して文化交流もしたいなあ! とはいえ課題は山積みで、与件がまとまっていない案件はよく直面するので、的確に整理するよう促しています。まさに[破]のプランニング編集術を活かせる現場ですね。

 


ギザのピラミッドにて

 

ーーダイナミックに稼働中ですね。ところでイシス編集学校に入門したきかっけは?

 

あるビジネス系SNSで知り合った高島徹さんが[守]の師範代で、こんな学校があるよと紹介されたのが最初です。他でも、なにかと松岡正剛さんの名前を耳にするようになったので、2009年に大宰府で開催された松岡校長の独演会『ぼくの九州同舟制』や連塾の最終回にも参加しました。編集学校の入門はそのあとです。

 

27[守][破]、20[花]を受講して、33[守]で師範代デビューを果たしました。松岡校長につけていただいた教室名は、地名を掲げた「佐賀ポータブル教室」です。そのあと、もう一度、[破]を受講したんですよ。一度目の受講の時、クロニクル編集術に苦戦したので、リベンジを兼ねてですね(笑)。二度目はとても楽しかったですね。ここだけの話、学衆の時、師範代の指南を素直に受け入れられない時期があったんです。今思えば、自分のやり方ばかりに固執していたんだなと思いますね。そこに気づいてから、断然稽古が面白くなりました(笑)

 

ーー九天玄氣組には園田さんからメールをいただいたんでしたね。

 

数年前、九州大学統合新領域学府ユーザー感性学専攻の学生だった時期があるんですが、担当の教授から紹介を受けて中野組長に連絡したんでしたね。九天は活発ですよね。できるだけ企画や集まりには参加しようと思っていますが、最近は仕事が忙しくてあまり動けずにいるので申し訳ないです。

 

でもね、いまは学衆でもないし、師範代として教室を持っているわけでもないので編集学校との直接的な関わりはないけれども、やっぱり、つながり続けたいんですよ。松岡校長とも、編集学校とも。九天はその“かなめ”にもなっている。加えていえば、いまの仕事は個人作業だから、なにかに所属することがない。そういう意味でも九天の存在はありがたいです。

 

ーー九天での活動はどうですか。楽しんでますか?

 

なんといっても、九天は人種のるつぼでしょ。本当にいろんな考えやスタイルを持っている人がいる。僕が九天に感心するのは、なにかアイデアを出すとき、できない理由を頭っから並べ立てないで、どうにかしてやる方法を考えようとする姿勢。いま取り組んでいる事業で出てくるお悩みも、九天のみなさんに投げてみたら、どんな答えがでるだろうかと思ったりします(笑)。組員の参画意欲も高いですよね。意外と個人それぞれが主催する企画が多かったりするのに、九天全体が賑やかに見える。なんでしょうね、この連鎖的な一体感は。

 

ーーどんな活動も懐深く受け止めてくれるのが九天ですからね(笑)。園田さんも、人種のるつぼのお一人であることを心してくださいね。今後の展開、楽しみです。今日はありがとうございました。

 

 

コロンボの寺院にて

 


(インタビューを振り返って)

電気管理は草の根的な緻密な業務、かたや国境を越えて技術と人を結ぶ海外事業はダイナミックです。一見、異質な仕事のように見えますが、化学系の技術職に従事してきた経験を活かすことに変わりはありません。これまでお会いするたびに「来週はスーダン出張?」「漏電の緊急呼び出しで久留米に行く?」「セスナに乗ったの?」など、次々に出てくるワードの飛びっぷりに繋がりを見出せず、どこか正体をつかみ損ねていた園田さんでしたが、根っからの冒険者なんだと合点、今回のお話でようやくパズルのピースがハマりました。いままさに海外に向けて飛躍せんとする時機を迎えている園田さん。12月初旬にはエジプト出張とのこと。拠点が佐賀であることを誇りに、別様の可能性を求めてGO!

 

 

 

【学衆】

 27[守] 推感まいまい同盟教室

 27[破] 猫町たまたま教室

 20[花] わかくさ20道場

 33[破] 紫苑ソフィア教室

 

【師範代】

 33[守] 佐賀ポータブル教室 師範代


  • 中野由紀昌

    編集的存在:石牟礼道子。侠気と九州愛あふれる九天玄氣組組長。組員の信頼は厚く、イシスで最も活気ある支所をつくった。個人事務所として黒ひょうたんがシンボルの「瓢箪座」を設立し、九州遊学を続ける。

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