百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。

「指南に向かう時は、香水をふり、師範代の衣装に着替えるんです」。
サマーグリーンのスカートを翻す江野澤由美師範代の一言一句に、放伝生は熱心に耳を傾け、ペンを走らせる。2019年7月27日の敢談儀、先達トークのひと幕である。
41[守]カレイド・スカート教室の飛行は常に順調とはいかなかった。進行役の林朝恵番匠は、江野澤の師範代体験を手際よく引き出していく。
序盤は稽古の足並みも揃っていたが、中盤にトップを走る学衆の家族が急逝し、稽古離脱を余儀なくされた。[守]のハイライトである番選ボードレールの時期、トップ不在の教室は低迷。エントリー作品も少なかった。
しかし江野澤はあきらめない。前へ前へと進み続ける。回答が少ない状況をどう生かすかを考え抜いた。まとめ指南を多様し、兄弟教室の番ボー作品を勧学会で紹介するなど編集機会をあえて増やしていった。やがて黙々と稽古していた学衆に変化が訪れ、仲間と声をかけ合うようになった。
卒門が近づく終盤には、離脱していた学衆も教室に舞い戻り、師範代も学衆も手を取り合うように喜んだ。汁講も大阪で1回、東京で2回と張りきって、江野澤は汁講クイーンの異名をとる。これには林も唸った。どんな時でも場に尽くし、動き続ける編集が教室を上昇気流に乗せたのだ。
「どうやってスイッチ入れたの?」。林が切り出すと「”とにかく楽しもう!”と書いたメモを壁に貼って、毎日見ていたんです」。江野澤はポッと顔を赤らめた。
林朝恵
編集的先達:ウディ・アレン。「あいだ」と「らしさ」の相互編集の達人、くすぐりポイントを見つけるとニヤリと笑う。NYへ映画留学後、千人の外国人講師の人事に。花伝所の花目付、倶楽部撮家で撮影・編集とマルチロールで進行中。
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コメント
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2025-09-02
百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。
2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。
2025-08-21
橋本治がマンガを描いていたことをご存じだろうか。
もともとイラストレーターだったので、画力が半端でないのは当然なのだが、マンガ力も並大抵ではない。いやそもそも、これはマンガなのか?
とにかく、どうにも形容しがたい面妖な作品。デザイン知を極めたい者ならば一度は読んでおきたい。(橋本治『マンガ哲学辞典』)