ISIS 20周年師範代リレー [第29期 田端弥生 編集の国に住み着いたアリス]

2021/09/01(水)09:00
img

2000年に産声をあげたネットの学校[イシス編集学校]は、2020年6月に20周年を迎えた。第45期の師範代までを、1期ずつ数珠つなぎにしながら、20年のクロニクルを紹介する。

 

◇◇◇

オバマ再選、習近平選出、安倍晋三再就任と、国内外の政治の節目となった2012年終盤。不思議の国から飛び出したアリスが黒帯を締め、編集学校の教室に立った。一度聞いたら忘れられない「黒帯アリス」は、29[守]を代表するキュートでクールな教室名であり、もちろん、田端その人を要約編集したものだ。

 

アリスの指南の言葉は平明だが、本質的だ。「王様は裸だ」と言ってのけるストレートさと、学衆の興にどこまでも付き合う稚気、息の上がったメンバーを熱く激励するガッツで、一貫して教室を牽引した。「黒帯」が、空手有段者というプロフィール情報を超えた実質を帯びた。

 

指南の末尾には必ず「アリスちゃんからひとこと」のコーナーが。田端はいわゆるアスキーアートの名手でもあり、テキストベースの編集学校メールに絵画的な華を添えつづけた。吹き出しの「ひとこと」では、とりわけ冴えた回答を取り上げたり、脱線したり、煙に巻いたり。指南だけでなく、どんなひとことが飛んでくるかを楽しみに回答していた学衆も多かったに違いない。

 

夫は学衆時代の師範代。なんと身重の状態で[破]師範代をやってのけた。そのとき生まれた子は、いまはエヴァ好きの少年となり、「イシス子どもフィールド」で両親と編集稽古を楽しんでいる。イシスオフィシャルSNS上で【よちよち編集家族】連載復帰が待たれるアリスちゃんは今や、編集一家を育む黒帯かあちゃんなのだ。

◎師範代メッセージ◎


 

>あのときメッセージ>

学衆として参加したのは、東日本大震災直後の25守。余震が続くなか、新たな知識と人との繋がりに活路を見出そうと、この世界に飛び込んだのです。そこから29守師範代まで駆け抜けました。そうそう、林修先生の「今でしょ」が流行っていたのもこの年。

 

>これからメッセージ>

20年間培ってきたノウハウと人脈が、ピンチをチャンスに再編集してくれますように。

 

黒帯アリス教室 田端(西岡) 弥生

 


 

●あの日!あの時!千夜千冊!●

〇草森さん、松丸本舗を見ていただけなくて、ごめんなさい
1486夜 草森紳一『随筆 本が崩れる』

…2012年10月04日

◎巨人よ、オオカミの知恵を思い出せ
1494夜 姜戎(ジャン・ロン)『神なるオオカミ』
…2012年12月31日

⦿1500夜は誰だ? 唯一的中したのはこの人
1500夜 橋本達雄 編『柿本人麻呂』
…2013年03月15日

Designed by 穂積晴明

 

 


  • 川野貴志

    編集的先達:多和田葉子。語って名人。綴って達人。場に交わって別格の職人。軽妙かつ絶妙な編集術で、全講座、プロジェクトから引っ張りだこの「イシスの至宝」。野望は「国語で編集」から「編集で国語」への大転換。

  • 感門之盟司会 水面下で譲れぬ戦い?【77感門】

    (嶋本と中村の絆の深さを証拠立てる一枚。左から、中村、渡辺高志(二日目司会)、嶋本、白川、山根)   「わかりました、中村くんは譲りましょう」   婿入りの相談か、ドラフト会議か。 実はこのやりとりは […]

  • 第27期 鵜養保

    ISIS 20周年師範代リレー[第27期 鵜養保 飄々と方法をぶつけ合う神出鬼没の実験者]

    2000年に産声をあげたネットの学校[イシス編集学校]は、2020年6月に20周年を迎えた。第45期の師範代までを、1期ずつ数珠つなぎにしながら、20年のクロニクルを紹介する。 ◇◇◇ 2012年春、東京スカイツリーが開 […]

  • 【このエディションフェアがすごい!31】田村書店 千里中央店(大阪府豊中市)

    田村書店千里中央店は、日本万国博覧会が国じゅうの耳目を集めていたころ産声を上げた、お客様に近い「愛され書店」です。   大阪千里は、いわゆるニュータウン開発の先駆けで、関東圏の都市開発にもさまざまな影響を与えま […]

  • 物語講座第13綴「冠綴賞」の行方【75感門】

    物語講座第13綴の「冠綴賞」は、ねじ式結晶世界文叢の竹岩直子が受賞した。今期、各賞は5人の叢衆で分け合うかたちとなり、「接戦」を制しての受賞である。残念ながら感門之盟への当日参加はかなわなかったが、受賞を知らされた瞬間の […]

  • 若手司会者の「場外」への思い遣り

    当サイトの名物記者にこの記事で「表情が硬い」と言われた感門之盟の司会者、上杉公志は遊刊エディストのコアなスタッフの一人だ。よって、当該の記事も上杉はすぐさま確認していた。   彼の表情への心配は杞憂であった。た […]