誰にでも必ず訪れる最期の日。
それが、どのような形で訪れるかはわからないが、一番ありえそうなパターンの一つが終末介護病棟での最期じゃないだろうか。沖田×華先生と言えば、自虐ネタのエッセイマンガでよく知られるが、物語作家としても超一流だった。深く死に向き合いたい方は、是非ご一読を。
(沖田×華『お別れホスピタル』)
破の開講をさかのぼること半月前、破の伝習座に、夕凪アルケミストがやってきた。久しぶりに、海を渡ってやってきた。
編集学校の教室は、いつも順風満帆とはかぎらない。逆風も吹く。学衆からの抵抗、抗議、反発、暴動、攻撃だってある。そんなときに師範代はどうすればよいのか。それを語りにやってきた。
そして伝習座はこうなった。
この日の破の伝習座のハイパーゲストは、渡辺恒久師範である。守の番匠を長らく務めた編集学校の番人。ハワイに居を構えて、日本語と英語で編集の瀬を渡るだけでなく、身体性を重視したワークショップで言葉とカラダの閾も越える。言葉の匠を多く抱える編集学校も、体と英語をここまで編集的に使いこなす者はいない。
長らくコロナの影響で彼の姿をモニター越しにしか見ることができなかったが、この日は豪徳寺に現れ、その身体性が発する独特の空気でやはり周りを和ませる。筆者は渡辺とは17破で同期師範代の間柄。彼が師範代を務める教室の名が夕凪アルケミストだった。
渡辺からは続々と、教室運営、特に波濤が渦を巻いて襲ってくるときのためのキーワードが渡されていく。90%の用意があって初めての卒意。狙いすぎない、追い込みすぎない。言葉を発するときのリスクの自覚。そこまで続けた渡辺がマイクを置いて、「では、やってみましょうか」と立ち上がる。伝習座の場では異例の、身体性の開陳だ。
たとえば人は、肘を外側から相手に抑えられ、体の自由を奪われたときにどうするか。当然、抑えている相手の肘を押しのけて払おうとするだろう。でもそうじゃない、と渡辺は、抑えられている腕を伸ばし、手のひらを拡げて外へ向かう。手のひらで世界を感じ、呼吸して、可能性のあるほうへ大きく伸ばしていく。そうすると、抑えつけられた相手の両の腕のなかで体がするりと一回転し、体は解放される。何とも戦わない、自由。
「と、こんなふうに運営してみてください。」
伸ばす手の先が、コンティンジェントを物語る。コンティンジェントとは、「ともにふれる」という義だと渡辺は言う。決まったことではなく、「可能性のある方へ、ある方へ」と手を伸ばす教室運営。今から15年前、17破の感門之盟で、夕凪アルケミストの師範代として「行こう、行こう。他のいる向こうへ行こう」と静かに絶唱したときから変わらぬ、編集的自由の心柱(1249夜『大乗とは何か』参照)。
編集学校の番人のコトバとカラダを受けた師範代たちは、すでに破の大海原に漕ぎ出した。
中村羯磨
編集的先達:司馬遼太郎。破師範、評匠として、ハイパープランニングのお題改編に尽力。その博学と編集知、現場と組織双方のマネジメント経験を活かし、講
座のディレクションも手がける。学生時代は芝居に熱中、50代は手習のピアノに夢中。
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コメント
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2026-02-05
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