自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
羽根田月香
編集的先達:水村美苗。花伝所を放伝後、師範代ではなくエディストライターを目指し、企画を持ちこんだ生粋のプロライター。野宿と麻雀を愛する無頼派でもある一方、人への好奇心が止まらない根掘りストでもある。愛称は「お月さん」。
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評者: 羽根田月香 編集/ライター、「イシスのイシツ」執筆 イシス編集学校 [花伝所] 放伝 明け方に目が覚めて、ふと思いついた言葉をノートに書きつける。あの一節には、この単語しかないと思え […]
【ISIS BOOK REVIEW】直木賞『しろがねの葉』書評 ~編集/ライターの場合
評者: 羽根田月香 編集/ライター、「イシスのイシツ」執筆 イシス編集学校 [花伝所] 放伝 インタビューをする際、無意識にこちらの「地」をずらしながら、相手との距離をつめている。読書も同じだが、今回はあ […]
イシス人インタビュー☆イシスのイシツ【孕む吉居奈々】File No.12
※イシスのイシツな人材を《イシツ人》と定義し、エディット紹介する不定期連載。 第12回となる今回は、母なる受容力が魅力のあの師範。 「史上初」という言葉の奥には、いつもそれを生みだす人がいる。 […]
もののふはいつだって危機に立ちあがってきた。 48[破]にこつぜんと、だが確かに空いてしまった穴。 ぽっかりと口を開いた常闇に、福田容子は躊躇うことなく飛び込んだ。 「わたしが引き受けます」。 […]
48[破]突破式。 原田学匠がこの先達文庫を読み上げたとき、誰に贈られるものかすぐにわかった。 「シード群生教室」の阿部幸織師範代へ。 ハイデガーの弟子であり恋人でもあったラディカルな思想家ハンナ・アーレン […]
コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。