情歴が電子化する!? あなたの夢を叶えます、「情歴電書団」始動。

2022/05/13(金)14:14
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 『情報の歴史21』を手に取った人ならば、誰でも一度は願ったことがあるはずだ。「検索機能が、欲しい!」ーーそんな万人の夢を叶えるべく、勇猛果敢な贈与軍団が立ち上がった。

 

 発端は2021年の秋。久々に結集した『情報の歴史21』編集部の打ち合わせで、吉村編集長が口火を切った。「電子化、やっぱりしたいよなぁ。検索できたらいいもんなぁ」。しかし大問題が立ちはだかる。『情報の歴史21』は、1995年までの情報を元祖『情報の歴史』(1996年発行)から拝借している。つまり、7000万年前から1995年までは、個別歴象(『情歴』に記載されている歴史的事象)の電子データがないのだ。あるのは、整然とレイアウトされた完成ページのコピーのみ。

 『情報の歴史21』電子版に検索機能を加えるためには、ひとつひとつの歴象をテキストデータとして入力する必要がある。7000万年前から1995年までの歴象を、ひとつずつ! そんなことは到底不可能だろうと、誰も言わないところがイシス編集学校であり、編集工学研究所。

 「やってみようか」を号令に、颯爽と動いたのは21世紀の女かとめぐこと、加藤めぐみ師範。膨大な歴象を入力して活用可能な情報体へと整備するインフラを、瞬く間にGoogleスプレッドシート上に打ち立てた。

 

『情報の歴史21』はどのページにも「歴象」がびっしり敷き詰められている。

 

 続いて白羽の矢が立ったのは、圧倒的おもてなし力に定評のある原田祥子蔵出し隊長。広大なイシスネットワークを駆使して、即座に「情歴PDF化チーム」の先発部隊をまとめあげた。原田祥子、稲田早苗、大島雅人、田原一矢、藤田小百合、若林信克という6名の勇者たちが先発隊となり、めくるめく情歴写経作業の土台をつくった。

 

 そして2022年の春、「情歴PDF化チーム」は「情歴電書団」と改名し、新たに20余名の新団員を迎え入れた。目指すは、2022年秋の『情報の歴史21』電子版リリース。週末は返上、ゴールデンウィークも返上、全ては未来の読者に『情報の歴史21』電子版を贈り届けるため。デジタル世界に「情報の歴史」を刻み込むアツい夏が、幕を開ける。

 

第二期メンバーを迎え、改めてキックオフした情歴電書団。応援よろしくお願いします!!!

  • 山本春奈

    編集的先達:レオ・レオーニ。舌足らずな清潔派にして、万能の編集ガール。定評ある卓抜な要約力と観察力、語学力だけではなく、好奇心溢れる眼で小動物のごとくフロアで機敏な動きも見せる。趣味は温泉採掘とパクチーベランダ菜園。愛称は「はるにゃん」。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025