自らの体内から這い出したコマユバチの幼虫たちが作った繭の塊を抱きしめるシャクトリムシ。科学者は「ゾンビ化されて繭を守るよう操作されている」と解釈するけれど、これこそ「稜威」の極北の姿ではないだろうか。
放伝式の冒頭、本楼のカメラ前にたたずむのは突破したばかりの三名の学衆。三人とも、はにかみながらもやや緊張しているようだ。
――[破]という厳しい坂道を全力で駆け上がってきた彼らにはその勢いを止めることなく次の編集へ活かして欲しい。
そんな思いを伝えるために38期の花伝師範である江野澤と蒔田が彼らにマイクを向けた。
――[破]を終えてみて感じた変化は?
ある学衆は以前より相手の真意をつかむコミュニケーションができるようになったと言い、ある学衆は仕事のライティングの速度が上がった、と自身の変化に手ごたえを感じている。
松岡校長の仕事術が詰まっているのが[破]であれば、イシス編集学校の秘密が詰まっているのが[花伝所]だ。
二人のインタビュアーは今以上の手ごたえを感じるために、ぜひ花伝所へ!と呼びかける。
二次会に行くようなノリで花伝所に誘われた、と苦笑する学衆に対し、江野澤は「帰ってからもう一回出かけるよりも、そのまま行った方がいい」とにっこり。
そう、学衆たちはいつ気づいたかは知らないが、この集まりは「そういう」会なのである。
突破の先へ進んでさらに編集を極めて欲しい、と蒔田はインタビューを締めくくった。
そして深谷花目付からは「お題」という方法についてこんなミニリアルワークが差し出された。
手で自分の脚に触れたときに何を感じるか。
体温?脚の柔らかさや硬さ?生地の質感?丸み?
手を動かさずに感じられるのは体温ぐらいだが、他は自ら手を動かさなければ感じられない。これは自ら動かなければ「感」は得られないということだ。
お題には「与えられる(give)」もの、「発見する(find)」もの、「作り出す(make)」もの、の3つがある。
お題(=「問」)はいつも最初にあり、いつもそこから始まる。
そんな「問」を自ら見つけにいき「お題という方法」を深めていけるのが花伝所なのだ。
[破]という大きな壁を越えた諸君は勢いに背中を押されて、ぜひ花伝所の門を叩いて欲しい。
イシス編集学校 [花伝]チーム
編集的先達:世阿弥。花伝所の指導陣は更新し続ける編集的挑戦者。方法日本をベースに「師範代(編集コーチ)になる」へと入伝生を導く。指導はすこぶる手厚く、行きつ戻りつ重層的に編集をかけ合う。さしかかりすべては花伝の奥義となる。所長、花目付、花伝師範、錬成師範で構成されるコレクティブブレインのチーム。
「乱世こそ花伝所」。松岡正剛校長の言葉を引用し、花目付の林朝恵が熱く口火をきる。44[花]の問答条々、式目の編集工学講義は花伝所をけん引するツインターボ、林・平野の両花目付のクロストーク形式で行われた。2025年10月2 […]
「5つの編集方針を作るのに、どんな方法を使いましたか?」。遊撃師範の吉井優子がキリリとした声で問いかける。ハッと息を飲む声がする。本楼の空気がピリリとする。 ▲松岡校長の書いた「花伝所」の前でマイクを握る吉井師範 &n […]
先人は、木と目とを組み合わせて「相」とした。木と目の間に関係が生れると「あい(相)」になり、見る者がその木に心を寄せると「そう(想)」となる。千夜千冊を読んで自分の想いを馳せるというのは、松岡校長と自分の「相」を交換し続 […]
【書評】『アナーキスト人類学のための断章』×4× REVIEWS 花伝所 Special
松岡正剛いわく《読書はコラボレーション》。読書は著者との対話でもあり、読み手同士で読みを重ねあってもいい。これを具現化する新しい書評スタイル――1冊の本を数名で分割し、それぞれで読み解くシリーズです。今回は、9月に行われ […]
3000を超える記事の中から、イシス編集学校の目利きである当期の師範が「宝物」を発掘し、みなさんにお届けする過去記事レビュー。今回は、編集学校の根幹をなす方法「アナロジー」で発掘! この秋[離]に進む、4人の花伝錬成師 […]
コメント
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2026-01-13
自らの体内から這い出したコマユバチの幼虫たちが作った繭の塊を抱きしめるシャクトリムシ。科学者は「ゾンビ化されて繭を守るよう操作されている」と解釈するけれど、これこそ「稜威」の極北の姿ではないだろうか。
2026-01-12
午年には馬の写真集を。根室半島の沖合に浮かぶ上陸禁止の無人島には馬だけが生息している。島での役割を終え、段階的に頭数を減らし、やがて絶えることが決定づけられている島の馬を15年にわたり撮り続けてきた美しく静かな一冊。
岡田敦『ユルリ島の馬』(青幻舎)
2026-01-12
比べてみれば堂々たる勇姿。愛媛県八幡浜産「富士柿」は、サイズも日本一だ。手のひらにたっぷり乗る重量級の富士柿は、さっぱりした甘味にとろっとした食感。白身魚と合わせてカルパッチョにすると格別に美味。見方を変えれば世界は無限だ。