ツッカム正剛に小倉加奈子登場!ガンとは何かお教えしましょう。

2020/01/18(土)21:10 img
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 「子どものころから内臓の絵を描くのが大好きでした」。
 松岡正剛校長に「絵を描くのは前から好きだったの?」と問われて、小倉加奈子は即答した。
 
 昨年7月に出版された『おしゃべりながんの図鑑』(小倉加奈子著 CCCメディアハウス)には、140点もの細胞や肺、大腸などの小倉直筆イラストが掲載されている。それを受けての、「ツッカム正剛」冒頭での校長からの質問になる。校長のYou Tuberデビューとなる「ツッカム正剛」にはこれまでAR三兄弟の川田十夢、為末大、ファッションデザイナーの川西遼平が登場。小倉はそれに続いてのゲストだ。
 

 小倉といえば、順天堂大学医学部附属練馬病院の病理医であり、二児の母であり、そしてイシス編集学校の師範として、【離】の火元組もつとめている。医療だけではなく、まさに編集工学も「ツッカム」しまくっている存在だ。1月17日に公開された「ツッカム正剛」では、白衣のコスプレ?に身を包み、病変サンプルを前に置いて、校長との師弟対談を展開している。

 
 平均年齢56歳の男だらけの病理医という職業になぜ就いたのか。外科手術の術式を決める迅速判断に小倉がときめく理由。そもそも「がん」とは一体何なのか。病理医の認知を上げるために小倉が展開している高校生向け病理診断ワークで使うある食材とは。次々に話題を変えながらトークは転がっていく。
 
 自らも胃癌、肺癌を患った松岡校長との編集的ガントークはこのあとも続編がアップされていく予定だ。「ツッカム正剛」の出演を皮切りに、書籍出版の第二弾、医療と編集工学のインタースコアプロジェクトも目論む小倉加奈子。質量ともに加速し続ける今年の小倉は、これまで以上にさらに目が離せない存在になりそうだ。まずは「ツッカム正剛」でガンと医療と編集工学と小倉加奈子をツッカムしてもらいたい。
 
  • 吉村堅樹

    僧侶で神父。塾講師でスナックホスト。ガードマンで映画助監督。介護ヘルパーでゲームデバッガー。節操ない転職の果て辿り着いた編集学校。揺らぐことないイシス愛が買われて、2012年から林頭に。

コメント

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山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025