【律師の部屋room.2】47[破]八客想亭教室◆鈴木悠也さん

2022/03/19(土)17:30
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「律師の部屋」では、学林局の肖(あやか)りっし、こと、律師・八田英子が、編集稽古まっただ中の学衆さんや師範代をお招きします。イシス編集学校に集う年齢も地域も職業も異なる、実に多彩なみなさんの「たくさんのわたし」「ポリロール」を次々にご紹介していきます。

 

第2回目のお客様は、第78回感門之盟のP-1グランプリにもノミネート中の47[破]八客想亭教室の鈴木悠也さんです。

 

左利きで双子という鈴木悠也さんは、幼いころから弟と違う言い方、人と違うモノの見方を意識してきたそう。趣味の映画を観る時も、あらすじは重要視しない。最短コースの味気ないプロセスよりも、味わい深い多様なプロセスを遊び、人と同じ言い回しを避けることで、新たなイメージを生むことを好んできた。そんなふうにずっと編集道を歩んできた鈴木さんには、[破]のプランニング稽古終わっても、さらにハイパーなISISプランを企画していただきたいものです。


[守]で教室仲間だった町田有里さん(第1回律師の部屋ゲスト)に、「”となりの”大澤真幸」さんと呼ばれていた鈴木さんは、大学時代に社会学者である大澤真幸さんのご著書に出会い、そこから世界観が変わったそうです。大澤さんには、今度の感門之盟にもご登場いただきますし、『情歴21』を読む第二弾ゲストとしても、本楼にお越しいただきます。みなさんも世界観がガラリとカワルかも知れません。どうぞお見逃しなく。

 

▼『情歴21』を読む 第二弾ゲスト決定! 大澤真幸篇【ISIS FESTA SP】

 https://edist.isis.ne.jp/just/joreki21_osawa/


次回「律師の部屋」は、第78回感門之盟(3/20,21)の中に登場します。

  • 八田英子

    編集工学を世界に広めるために編集工学研究所に入所した元SE。不適な笑みを湛えながら、問答無用でばさばさと人を斬りまくる。編集的先達は沢田研二。

コメント

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山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025