空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。

「とにもかくにも、松岡さんの方法日本を読みとく会にしましょう。」
間庵が7月24日(日)にスタートする。9月まで月1回、全3回の連続講義型だ。これまでAIDAボードも務める田中優子庵主と、場の仕立てを議論してきた。2021年は、連句を編み、職人に触れ、小さきものづくりを実践したが、2022年からガラッと変わる。
今季から、松岡校長の方法日本を読み尽くす。EELのモットーである「歴史を展く、文化と遊ぶ、生命に学ぶ」を3回講義のアンダーシナリオにして、庵主の提案で『アートジャパネスク』にも出入りする。「連塾」の映像から『遊行の博物学』や『日本という方法』などの書籍まで、方法日本を共読する機会になるだけでなく、編集工学との併読も試みる。
日本の社会文化は、顕と冥、和と荒、真と仮と、異質なもののデュアルスタンダードを携えてきた。多様をつなぐムスビ目に力が宿り、藤原公任から相撲まで、それらをアワセ、カサネ、キソイ、ソロエるところに日本的編集性を発揮してきた。今季のテーマは「アワセとムスビ」。庵主のレクチャーや庵主×松岡校長の対談も予定している。
[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]
//つづく//
橋本英人
函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。
かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]
「日本流(経営)の本質は、異質なものを編集する力だったはずだ。ーーー異質なデータを価値ある情報に編集する知恵がこれからの勝負となる。それをセマンティックプラットフォーマーと呼んでいる。」 一橋大学ビジネスス […]
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コメント
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2025-09-09
空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。
2025-09-04
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ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。