しかたなかさん(40代女性)のご相談:
5年ほど前に某サークル内で散々受けた公開処刑の傷が癒えません。処刑をした本人とは今は絶縁になり文句すら言えません。見返してやることもできず、忘れることもできません。どうしたら心が楽になるでしょうか。
サッショー・ミヤコがお応えします
「公開処刑」とは穏やかならぬ表現。いわゆるパワハラ・モラハラ的なものと思いますが、たくさんの人の前で恥をかかされるのはまったくハラワタ煮え繰り返るものですね。でも、最も耐えがたいのは、目の前の無関係な有象無象が機に乗じて石つぶてを投げてくることです。しかたなかさんのケースでは、「本人」とあるので、きっと首謀者もいまだに忘れることのできない相手も一人だけだったのでしょう。そのことだけでも、ちょっと浮かばれておきましょう。
「忘れる技術」と「鈍感力」が年々アップしているサッショーに、ここはお任せを。松岡校長直伝の編集術を大々的に使いましょう。「地」を変えると、そこに乗っている「図」の見え方も変わるという方法は、トラウマを解消して前を向いて生きるのに、これ以上なく有効です。
千悩千冊0011夜
ウィリアム・ソウルゼンバーグ
『捕食者なき世界』文春文庫
自然界=生存競争の場だとはよく言われますが、そもそも捕食という行為がなければ、地球に生まれた「生命」という奇跡は、海に溶け込んだ微生物の段階にとどまっていたでしょう。「食うか食われるか」が始まったことにより、生物の爆発的進化が始まりました。カンブリア爆発以来、生物は捕食に有利なよう、いわば「軍拡競争」を繰り広げてきました。貝殻、爪、歯、牙、顎、スピード、知恵、力。しかし『狼王ロボ』の時代をほぼ最後に、大型捕食者の命運は尽きます。必ずしも食べるためだけではなく動物を攻撃する人間たちの攻撃が始まったためです。
この本はあくまでも現在、動物界の頂点に君臨しているように見える人類が、この世界のシステムを保全するために何ができるかを探ったものですが、しかたなかさんのようなつらい体験に別の名前をプレゼントするのに役立てば、とおもいます。
致命傷以外はかすり傷。明日のために生かしたい。
◉井ノ上シーザー DUST EYE
「見返す」よりも「気を楽にする」方向に向かったほうがよいでしょう。北国の猛烈な地吹雪の中を駆け抜けて、温かい鍋などを食すると、一時的にせよ気が楽になります。
没頭し続けられる何かを見つけてはいかがでしょうか。
「千悩千冊」では、みなさまのご相談を受け付け中です。「性別、年代、ご職業、ペンネーム」を添えて、以下のリンクまでお寄せください。
井ノ上シーザー
編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。
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