「忌まわしさ」という文化的なベールの向こう側では、アーティスト顔負けの職人技をふるう蟲たちが、無垢なカーソルの訪れを待っていてくれる。
このゲホウグモには、別口の超能力もあるけれど、それはまたの機会に。

番匠の景山和浩は手が小刻みに震えるのを感じた。
2019年3月9日、42[守]の卒門を祝う感門之盟がDNP五反田ビルで行われた。卒門式の進行は司会の鈴木花絵と景山和浩。24[守]以来の番匠ロールについた景山にとって、久しぶりの晴れ舞台だった。
師範・師範代が入れ替わり立ち代わり登壇する中、どのタイミングでコメントを挟むべきか。景山は急に不安になった。手が震える。いっそのこと、黙っておいた方がいいのか。いや、司会の横で突っ立っているだけでは芸がない。隣の鈴木に尋ねるが、「何もしなくてもいいのでは」と返答は素っ気ない。進行で頭がいっぱいのようだ。
悩んでいるうちに1組目の井ノ上師範チームが登壇。コメントの余裕なし。感門表が読み上げられる。降壇時しかチャンスはない。迷いながら、意を決して「井ノ上師範チームは」と声に出してみる。席に戻ろうとしていた師範と師範代が立ち止まる。下がっていいのか、迷っているようだ。
2組目の感門表授与。少しホッとしていると、吉村林頭が近づいてきた。囁くような声で「校長からです」と1枚の付箋を渡された。そこには「間をあけず、すぐ話す」。何もかも校長にはお見通しだった。
卒門式での鈴木花絵と景山和浩。明らかに焦った顔をしている。
景山和浩
編集的先達:井上ひさし。日刊スポーツ記者。用意と卒意、機をみた絶妙の助言、安定した活動は師範の師範として手本になっている。その柔和な性格から決して怒らない師範とも言われる。
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コメント
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2025-09-16
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