UFOは”ユー・エフ・オー” サイエンティスト迫村勝の回答(後編)

10/21(月)19:24
img

「アブダクションって編集工学では“仮説形成”だけど、UFO業界では“拉致“の意味なんだよね。宇宙人に誘拐されることを、業界では“アブられる”っていう。アブられたイタリア人女性が、UFO内でレイプされて妊娠したっていう記録もあるんだよ。でも、死産した胎児の写真はどう見てもネズミの死体なんだよね」。

 居酒屋で、迫村勝(師範)は笑みを浮かべて話す。面白くて仕方がないという様子だ。井ノ上裕二(師範)が、大笑いをしながら同調する。

「月へロケットを飛ばせたのが半世紀前で、人類300万年の歴史では、ほんの一瞬です。人類はあと1万年ももたんでしょう。ほかの惑星で知的生命体が生まれたとする。それが人類と同時代的に接触するなんて、確率論的にありえんでしょう」。

 迫村の目つきと口調が変わる。「井ノ上君、生命体のいる可能性がある太陽系外惑星は、もう発見されているんだ。条件さえそろえば、地球以外に知的生命体が存在する可能性はあるんだよ」。

 井ノ上はひるむ。この人は本気か。迫村は工学博士号をもつ。理論で本気になるとかなわない。話題を編集学校のよもやま話に移す。濃いめの焼酎で二人ともろれつが回らなくなる。井ノ上は思いつきを口に出す。

「でも、隣の惑星まで何光年も離れているわけで、そこから地球を探してやってくるのは、いくら宇宙人でも大変でしょう。コストがかかるし」。

「井ノ上君、なんらかの方法で、地球で物質化をすればできるじゃないか」。

 迫村は寸鉄を刺す。つけ入る隙を与えない。井ノ上は察知した。界面化学を専攻する迫村は、科学とオカルトの境界にいる。この間、迫村はUFOを「ユー・エフ・オー」と発音していた。UFO業界では「ユーフォー」と発音すると白眼視をされることをのちに井ノ上は知ることになる。 


  • 井ノ上シーザー

    編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。

  • 井ノ上シーザー、45[守]に“遊刊エディストの歩き方”を語る

    「遊刊エディストの歩き方を守学衆に語ってください」。 番匠・景山和浩のリクエストを受けて、井ノ上シーザーが2020年5月26日、45[守]別院に登場した。タイトルは「遊刊エディストの歩き方」。「イシスと遊刊エディスト」「 […]

  • 東北の切実と逸脱の愉快と 第30回未知奥声文会

    第30回未知奥声文会は「ポール・ヴィリリオの事故と哲学」で始まり、「バンクシーのアート」で終わった。 ヴィリリオが述べる事故をめぐり、原発事故とコロナ・エピデミックの相違と類似について討議を重ねた。バンクシーのアートにつ […]

  • 未知奥声文会、仏教とアジアを語る

    2019年10月13日、未知奥声文会は仏教とアジアを中心に交わし合いをした。 ネット会議の終わり際に、林、井ノ上、花岡は、離想郷ラウンジにレポートを挙げることとした。 今回は、そこで垣間見られた、各メンバーの「場所と記憶 […]

  • 有事の中で45[守]開講 松岡校長メッセージを読む

    2020年4月20日午後。 新型コロナウィルス・パンデミックの渦中の時、松岡正剛校長のメッセージを合図に45[守]が開講した。パンデミック“にもかかわらず”なのか、“だからこそ”なのか、教室数を増設するほどの盛況ぶりだ。 […]

  • 45[守]の今 前代未聞の速修コースで起こっていること

    45[守]では、15週間でカリキュラムを完了する「速修プラン」を設ける。5月4日の開講日から13日まで、毎日の出題がされることになる。ゴールデンウィークを編集稽古漬けにするという、初めての試みだ。    当然 […]