山田細香は裏表のある女だった。
細身の体にヨウジヤマモトをまとい、レポーターさながら『情報生命』をテレビカメラにかざす。感門2日目、近畿大学ビブリオシアターでDONDENの紹介をする山田細香は、よく削られた硬い鉛筆のようだった。そのシャープさに、松岡校長は「今日の細香、よかった」と目尻を下げる。
カメラのまえで立派な人が、楽屋でもそうとは限らない。落語家だって無口になり、アイドルだってタバコを吸う。鮮やかなグリーンの表紙のエディションをもつ山田、背後にまわってみれば、黄色の蛍光ペンや赤ペンで汚れた司会台本が現れた。
山田は前日、自宅でリハーサルを行っていた。台本ができあがったのが感門初日の12時半。そこから同居人を司会の相方・川野貴志に見立て、ふたりでソファに座る。あごが疲れるまで山田は台本を繰り返し、同居人はひたすらうなずく。気づけば感門は終わっていた。本番では進行中の次第変更により、準備原稿の9割がカット。それでもクールに立ちまわる。
B面方眼教室師範代・山田細香の裏面は、鉛筆1本をつぶすほどの準備で黒光りしていた。
細香A面
細香B面
(構成・写真:福田容子)
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
初代吉田玉男師匠に導かれていたのかもしれない。2022年春、近畿大学図書館アカデミックシアターのために生み出されたひとつの文楽。太夫三味線の収録は、初代玉男師匠の菩提寺で行われた。別日、その音声をもとに人形を遣ったのは、 […]
近畿大学ビブリオシアターのプロモーション映像のために、ひとつの曲が書き下ろされた。手掛けたのは、鶴澤清志郎。人間国宝・鶴澤清治の弟子であり、文楽座命名150年の記念すべき令和4年4月公演においては、第一部「義経千本桜」の […]
とざいとーざい。このところ近大文楽プロモーション撮影、義太夫三味線レコーディングの段。あいつとめまするマネージャー・編集工学研究所橋本英人、プロデューサー吉村堅樹、ディレクター小森康仁。とざいとーざい。 古 […]
24時間学習OK!修了率80%超!【1:1:10の法則】がもたらす革新的な学習スタイルとは
一年前を振り返ってみてほしい。何度目かの緊急事態宣言下、東京オリンピックの開催に揺れたあのときから、ひさしぶりに晴ればれとしたゴールデンウイークを終えたこの日まで、あなたはどんな変化を遂げただろうか。答えに窮したあなたに […]
若者よ、ふざけなさい。近大生24名がイシスに挑む【49[守]開講】
廊下は走るな、教室で騒ぐな、寄り道はダメ、いい子でいなさい――。学校には禁止事項が多い。しかしこの学校は真逆だった。教員川野貴志は言った。「みなさんには、ふざけてもらいたい」イシス編集学校49[守]開講日の晩である。 & […]