連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。

「『知的でスタイリッシュなシーザー』を、一回やってみたかったんですよねー」。
軽く、ダサく、うさん臭い井ノ上シーザー(46[守]師範)の発言に、律師の八田英子が失笑を浮かべた。
5日後に46[守]伝習座をむかえる2020年9月28日(月)の、Zoom越しの学林局からのディレクションの最中だった。
伝習座で、師範代向けの「用法2語り」という大役を任命された井ノ上は、「知的でスタイリッシュ」な人になりたくなった。そのために編み出した方法は、桂大介(44[守]師範・14[離]火元組)をまねる事であった。
左は44[守]桂師範のレジメ表紙 右は46[守]井ノ上シーザーのレジメ表紙
井ノ上はプライドも躊躇もなく、桂のカッコいいレジメを模作した。
「桂の発表をもどいて、うまくまとめたね」。
ディレクションに居合わせた松岡校長のコメントに、「いえ、わたしのオリジナリティを入れています」と井ノ上は述べ、松岡校長から「失礼しました」という言葉を引き出した。
覚悟を決めた井ノ上は、めんどくさい。
この日、井ノ上は「知的でスタイリッシュになりたい」という言葉を三回ほど口にし、最後に松岡校長から「お前はスタイリッシュではある」という言葉を得た。
井ノ上の“擬き”は、止まらない。
2020年10月3日、伝習座当日の井ノ上は、アウターは黒のシャツとパンツ、インナーは赤いTシャツというファッションに身を包んだ。それは、「編集学校20周年感門之盟」(2020年9月21日)時の太田香保[離]総匠の服装をパクったものであった。井ノ上シーザーにとって、本当に「知的でスタイリッシュ」といえば、太田香保[離]総匠である。
左は太田香保[離]総匠。右は服装の色調を似せた井ノ上。
同日の太田香保総匠について、エディストライターの小倉加奈子は以下の通り述べている。
「それにしても、ZOOM画面に映し出された香保さんは妖艶だった。千夜千冊全集のテーマカラーである、インナーの赤とジャケットの黒のコントラストがひときわ艶やかで、『ひみつ』を握る妖しさが溢れる」。
そんな「離学衆全てが直立不動になる絶対的な総匠」を、シーザーがもどいたとは、だれも気づかない。
なお、伝習座当日の井ノ上は、アナロジーについての解説時に「本家本元の松岡校長の目の前で申し上げるのは恐縮ですが…」と述べてしまい、「余計なことを言うな」と校長から叱られ、汗だくになった。
「スタイリッシュ」を目指すと豪胆だが、「知的」には小心者の井ノ上シーザーであった。
伝習座最後の校長講話前の、ホントにカッコいい松岡校長。
井ノ上シーザー
編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。
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2025-07-02
連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。
2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。