「ピキッ」という微かな音とともに蛹に一筋の亀裂が入り、虫の命の完結編が開幕する。
美味しい葉っぱをもりもり食べていた自分を置き去りにして天空に舞い上がり、自由自在に飛び回る蝶の“初心”って、いったい…。

イメージはマネージできる。
10月1日のエディットツアーのテーマは「編集術でイメージの幅を広げよう」。ナビゲーターは金融業で企業研修プログラムを担当している渋谷菜穂子師範代。
まずは自己紹介。自分をお菓子に見立てて自分の「らしさ」を表現する。「見立て」はハイコンテクスト文化である日本が得意とする編集の一つである。何かに見立てることでイメージを相手に高速で伝えることができるのだ。その自己紹介を受けて、次のワークではペアワークで相手の「らしさ」に重なる本を本楼にある2万冊から1冊選び、贈りあう。
渋谷師範代による情報編集プロセスの絵。「らしさ」はなんとか伝わった。
最後はイメージを広げる編集ワーク「ミメロギア」。「ミメロギア」とは古代ギリシアの編集技法の「ミメシス(模倣)」と「アナロギア(類推)」を組み合わせたイシス編集学校独自の名物編集稽古だ。
例えば、「漱石・鴎外」という2つの情報が並んでいる。この2つに対角線を引き「出席をとる漱石・脈をとる鴎外」「ロンドンでウジウジ漱石・ベルリンでラブラブ鴎外」「冷ややっこの漱石・テリーヌの鴎外」など、一対の回答を作るプロセスで新たな関係性を発見していく。
今回のお題は「ラグビー・サッカー」。制限時間5分で出来上がった回答の一つは「ハカのラグビー・国歌のサッカー」。試合前後の式で結びつけ情報の切り口をあわせ、語尾を「カ」で揃え表現を整えた。
編集とは新たな関係を発見していくこと。新しい関係を見出すことでイメージの幅を広げていくことができるのだ。
今期ラストとなるエディットツアーは、10月12日(土) 14:00〜16:00に開催。詳しくはこちらへ。
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
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コメント
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2025-10-07
「ピキッ」という微かな音とともに蛹に一筋の亀裂が入り、虫の命の完結編が開幕する。
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2025-10-02
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(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
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