小川の水底での波乱万丈を生き抜き、無事に変態を遂げた後は人家の周りにもヒラヒラと飛んできてくれるハグロトンボ。「神様とんぼ」の異名にふさわしく、まるで合掌するかのように黒い翅をふんわり広げては閉じる。
「45守の募集は、これからみんなでやらないといけないのですが」
伝習座のスタートに八田英子律師が発した。
そう。45[守]のお席、まだまだございます!
まもなく20周年を迎えるイシス編集学校。節目にあたる時期だからこそ、2020年4月20日から開講する45[守]コースも俄然、力が入る。
45[守]で師範代として編集コーチを担う顔ぶれは、はじめて師範代となる人、師範代経験者、「20周年には駆け付けなくては」と久しぶりに登板をする人と多様だ。
一人として同じではない師範代に、キャラクター揃いの指導陣、そして松岡正剛校長も揃った伝習座が現在進行中である
149回目となる伝習座は、新型コロナウイルスの影響で、ほとんどの参加者がオンライン参加となっているが、それぞれの編集熱が画面越しにあふれている。
その熱は「教室名フライヤー」にもほとばしる。
教室名フライヤーとは、登板予定の師範代がつくる、イシス編集学校を知らない人を入門へ誘うツールであり、師範代にとっては開講に向けたお題でもある。
松岡校長からいただいた自分だけの教室名にあやかりつつ、イシス編集学校の魅力をフライヤーにあらわしていくのだ。
師範代たちは、伝習座で教室名フライヤーをプレゼンし、どのような教室にしていきたいかを語る。
伝習座で情熱、熱狂、熱烈に紹介されたフライヤーからいくつか紹介しよう。
■福井千裕 師範代(野の字しびれる教室)
ライフワークはパーマカルチャー。「この星に生まれたことに恩返し」と大きな大きな編集に立ち向かおう、と覚悟を胸に師範代登板。

「フライヤーをつくるときストーリーを考えたんです」
福井師範代がゆっくり話しはじめる。
「ぼく」がある夏の夜に見たのは、たくさんのホタルが飛んでいる姿。数年後、別の野で少年は星空を見上げていた。「ぼくが魅かれていたものはこれだ」。
別様の可能性をひらくイシス編集学校へのあこがれや切実をぼくに託して「しびれる」というメッセージとともにフライヤーにあらわした。
■中西晶大 師範代(飄々絃々教室)
釣りと登山が大好きなデニムフェチ。世界読書奥義伝13[離]絃燈院の頼れるムードメーカーが満を持しての師範代登板となる。

「『飄々』は自分で案を出したのですが『絃々』は校長からいただきまして」。
13[離]絃燈院の院名の一部を授けられ緊張の面持ちの中西師範代。教室のふるまいをコンパイルからエデットにつなげようと、ONとOFFのデュアル性をもった教室運営を目指す。
「飄々の中に凛とした瞬間が起きる場にしたい」と語り、中西師範代は緊張を覚悟に置き換えた。
■若林牧子 師範代(ストールたくさん教室)
食に向き合う仕事をし、[守]では師範経験もある。13[離]を経て、再度師範代にエントリー。心地よい声で実香連でも大活躍する編集マルチプレイヤー。

「ストールをたくさん持っていて、30枚あるんですが」と、フェチをつかった教室名を手渡された若林師範代。「2020年」という年に「20周年」というメモリアルを迎える編集学校に、そしてイシス愛にあふれ、編集道の南を指し続けてくれた冨澤陽一郎道匠への借りを返したい、と師範代に名乗り出た。
ストールの素材、色、デザイン、巻き方すべてが編集で、ストールというモノに肖り、彩り豊かに学衆(生徒)を翻弄したい。
さあ、ご覧いただきどうだろうか。「編集」への熱い思いを感じていただけたに違いない。
45[守]には、魅力的な教室がまだまだある。編集現場最前線をのぞいてみたいと疼いたアナタ! ぜひ45[守]の扉を叩くことをお勧めしたい。
衣笠純子
編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。
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コメント
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2026-02-17
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それが、どのような形で訪れるかはわからないが、一番ありえそうなパターンの一つが終末介護病棟での最期じゃないだろうか。沖田×華先生と言えば、自虐ネタのエッセイマンガでよく知られるが、物語作家としても超一流だった。深く死に向き合いたい方は、是非ご一読を。
(沖田×華『お別れホスピタル』)