未踏に踏み込むこと。
毎期たくさんの未踏があるが、自粛や中止、延期の言葉が並ぶ今だからこそ、師範代自身が未踏へ向かって欲しい。
その後ろ姿は必ず学衆さんも感じ取っている。
第149回伝習座で、和田めぐみ[守]番匠は冒頭にそう述べつつ、45[守]の師範代へ「たくさんの師範代像へのカマエ」のエールを贈った。
1.師範代は、教室の要である。
2.師範代は、学衆の先輩・先達である。
3.師範代は、師範代に「なっていく」プロフィールである。
ー正解を求めなくていい。
しまった、滑った、転んだも恐れず、学衆のためなら何をやってもいい。
そのプロフィールを経て師範代になっていく。
4.師範代は、学衆の不足を与件とする。
ー入門の目的は様々だが、共通して何かしらの不足を抱えている。
その与件を以って向かうこと。
5.師範代は、方法を取り出し照合を厭わない。
ー参考となる先達の編集を真似るのではない。
自身の教室模様を方法として取り出し、照合する。
6.師範代は、学衆との「あいだ」をつなぐ中継点である。
ー教室が進む上で学衆を取り巻く場は動いていく。
そのあいだを繋いでいく。
師範代と学衆を、学衆同士を、学衆と編集学校をChainする。
7.師範代は、世の中の言葉を編集の素材とする。
ー既存の編集を終えようとしている情報を契機に、未知へ向かっていく。
8.師範代は、編集速度を自在に動かせる。
ー同じ言葉でも「コップ」と「コーーーップ」では速度が変わる。
速度が変われば情報も変わる。
制限時間や番ボーは、速度を動かす契機になる。
禅機をつかんだ速攻の応答も時には必要。
9.師範代は、生き生きした流れを教室に吹き込む。
ー学衆さんの事情も様々で、回答のスピードも密度も色々。
稽古と楽しむ学衆の編集知を教室に共鳴させるのも方法の一つ。
10.師範代は、教室という生き物のと共に変わっていく。
ー学衆さんのテンポやその時の状況で教室の様相は絶えず変化する。
リズムに合わせるために時に用意したものを捨てることもある。
あるいは、あえて拍を不意にずらして動かす局面もあるだろう。
ブレない軸も大切だが、変わっていくことを恐れないで欲しい。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。
「間論」から、編集的社会像のターゲットXへ【AIDA 第5講】
”松岡正剛の仕事が何より「編集的であること」を体現している” 昨秋スタートしたHyper-Editing Platform[AIDA]は、2月13日に第5講をむかえた。 来月の最終講に先立ち、座衆は「間論( […]
「再編集」の2021年へ。全国オンラインワークショップ「方法日本ETS」開幕!
半年に一度の方法の祭典、ISISフェスタ「エディットツアースペシャル(ETS)2021春」がいよいよ明日から始まる。 2019年夏、2020年春、夏に続いて4回目となるETS。全国各地で編集工学や方法につい […]
【輪読座】2021年は「21世紀の再編集」へ(「白川静を読む」第四輪)
21世紀から20年を過ぎた今、姿勢をただす 「小さな本ではありますが、私自身はずいぶん緊張しながら仕上げました。姿勢をたださなければ書けない、と感じたのです」 松岡校長は『白川静』(平凡社新書)のあとがきに […]
変異するのは新型コロナウイルスだけではない【34[花]敢談儀】
松岡校長による「花伝敢談儀」の書。だが、よくよく見てみると何か違和感がある。 「談」には三つの炎が燃えたぎり、「儀」には二つの人偏が対話しあう。「花伝」のまわりには朱が舞い、二つの炎では到底足らない方法への […]
人類は長らく社会文化的感染症にかかりっぱなしだった。 松岡正剛座長は、2020年の大晦日にクリストフ・ポヌイユ&ジャン=バティスト・フレソズの『人新世とは何か』を、2021年の年始にダン・スペルベルの『表象は感染する』を […]
NEWS新着記事
PICK UPピックアップ記事