秋の彼岸、組長・リカ・マリリンの悲願とは!?

2020/09/21(月)08:30
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 もてなしとふるまいは日々の用意と卒意で万事OK。しかし本楼や近大アカデミックシアターのような設備も機能も不足する九州会場(大分・耶馬渓)はしつらいがお題であった。なにしろ会場となるのは田中さつき師範代の自宅。お座敷の一角をプライベート空間から感門之盟会場へと転換を図らねばならない。

 

 求めたのは「光」であった。昼はともかく日が沈むと床の間は真っ暗闇になる。なにしろ師範と師範代の晴れ舞台。九天玄氣組の中野由紀昌組長は叫ぶ。「もっと光を、もっと灯りを!全然足りない!」

 納屋にしまいこんでいた作業用ライト、部屋の奥にあるデスクライト、屋外用のランプなど、田中家のありとあらゆる照明がかき集められた。ここに組長持参の灯篭とヒョウタンランプが加わる。
 しかし、まだ何かが足りない。

 

Q.この画像に照明はいくつあるでしょうか?

 

 感門之盟初日の朝、45守の石井梨香師範と中洲マリリン教室の三苫麻里師範代は組長とともにカゴとハサミをもって耶馬渓の渓谷を流れる山国川の川岸へ向かった。お目当ては河岸にゆれるススキの群生と真っ赤な彼岸花である。

 

石井師範(右)と三苫師範代。中世の山城「一ツ戸城」をバックに

 松岡校長直筆の『感門九天二〇二〇』を際立たせるように、ススキと彼岸花が床の間に飾られた。九天玄氣組が発足した2006年秋にも彼岸花は咲いていたけれど、20周年を祝う日をふたたび彼岸花が彩ることになった。

 

 そのうちの一輪は三苫師範代の花簪(かんざし)になったことは、あまり知られていない。

  • 中野由紀昌

    編集的先達:石牟礼道子。侠気と九州愛あふれる九天玄氣組組長。組員の信頼は厚く、イシスで最も活気ある支所をつくった。個人事務所として黒ひょうたんがシンボルの「瓢箪座」を設立し、九州遊学を続ける。

コメント

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山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025