発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

2020年4月20日午後。
新型コロナウィルス・パンデミックの渦中の時、松岡正剛校長のメッセージを合図に45[守]が開講した。パンデミック“にもかかわらず”なのか、“だからこそ”なのか、教室数を増設するほどの盛況ぶりだ。
なにが起こっているのか。時代の空気と照合しつつ、松岡校長のメッセージを紹介する。
「私はこのネットスクールを2000年に立ち上げたのですが、当初からリアル=ヴァーチャルなコミュニケーションを重視しました。SNS時代になって、ようやく時代が追いついてきたようですが、どっこいイシスはどこにもないコミュニケーションが交わされる学校です」。
…緊急事態宣言で内こもりの時代、ネットを介したイシス風の学習は安全だ。
そしてここには「どこにもないコミュニケーション」がある。
では、それはどのようなものか。
「この学校には私の経験や構想がかなり注入されています。また、未来のための仮説や実験もいろいろ仕込まれています。そのしくみの基本は、『問・感・応・答・返』でできています。問うて、感じて、応じて、答えて、返しあってください」。
…師範代と学衆たちが、編集稽古を通じて言葉を交わし合う。
互いを評価し合う過程で、それぞれが“目利き”になっていく。
イシスならではのコミュニケーションだ。
これこそが、今求められているのではないか。
「世界も人生も種々さまざまな変転に満ちているのです。楽観はできません。新型コロナウィルスがもたらしたことは、そうした警鐘です。諸君の奮闘を期待しています」。
…“世の中でいちばん不変なこととは、変化することです”とも、松岡校長は述べる。
自ら情報を動かすことで、変化に対応するための“方法”をイシスでは学ぶ。
「日本列島のどこもかしこもが、コロナウィルス禍に喘いでいます。平時が私宅とスーパーマーケットに閉じ込められて、あとは有事ばかりかと見紛うほどです。諸君は大丈夫ですか。」
…そう述べる松岡校長は鼻うがいでコロナ対策をしているらしい。
禁煙は、いまだにしていない模様だ。
井ノ上シーザー
編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。