「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。

46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix、『遊刊エディスト』誌上で予選を開催中。第77回感門之盟での本選出場をかけて、各教室から短期決戦の応援合戦だ。さあ、あなたも心惹かれるプランに投票を!
プラン4:望眺世界塔教室/空から大人を見てみれば
大人を縛る「常識」を沢山蒐めて、望眺して、編み直してみよう!
■ジョーシキを疑え?
常識とはジョーシキであり、情/色だ。社会的な感情の色味であって、空(くう)じられるべき色(しき)の筆頭だ。
「常識を疑え!」という訴えにさえ《常識的な臭い》をかぎ取ってしまう気ムズカシイあなたにこそ来館してもらいたいのがここ、“空見て”こと「空から大人を見てみれば」である。今日はジョーシキを即是空したいあなたに、館内の一部をご案内する。
■何の因果でインカの筆談?
すでに「映画断食」などは紹介したが、イチオシは“イン筆”こと「何の因果でインカの筆談」だ。
イン筆とは、南米・アンデスの森林を模した場で、古代人気分に遊べるコーナー。ただしコミュニケーションの際に使えるのはインカ文字だけ、しかも文字についての説明は一切なされない。そもそもインカ文字は「未解読言語」なため解説しようがない。あなたは突如、インカの海に投げ出される。文字の形や並びのうちに独自のルールを見出し、筆談と身振りのみでやり取りを成立させねばならない。
■「インカのつもり」に遊び、「コトバのほんと」に迫る
イン筆は荒唐無稽か?いやいや、そんなことはない。
何のルールも知らされぬまま言葉の海に投げ出され、口真似をしてどうにかこうにか、ゲーム主体となってゆく――ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」論を可視化したのが、この空間なのだ。
■「ちぐはぐ」こそが生の本来
イン筆初め、“空見て”には非常識的体験のシキ織り織りが満載。「眼耳鼻舌身」の五識も、折々賦活されること間違いなし。
ここを出る頃にはあなたもきっと、「ちぐはぐ」こそが生の本来だと悟るだろう。
プラン発案者:織田茂
執筆者名:師範・新井陽大
画像作成者:師範代・高橋陽一
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読者投票あり!!46[破]「DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix」プランニング編集術アワード予選を開催
投票締め切り:2021年8月25日(水)24時
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バニー新井
編集的先達:橋本治。通称エディットバニー.ウサギ科.体長180cm程度. 大学生時に入門後、師範代を経てキュートな編集ウサギに成長。少し首を曲げる仕草に人気がある。その後、高校教員をする傍ら、[破]に携わりバニー師範と呼ばれる。いま現在は、イシスの川向う「シン・お笑い大惨寺」、講座師範連携ラウンジ「ISIScore」、Newアレゴリア「ほんのれんクラブ」などなどを行き来する日々。
準備も根本から本気で本格的に。それがイシス流である。 感門本番まで残すところあと2日、これまで個々に用意を重ねてきた[破][花]の指導陣が、いよいよ本楼に集ってリハーサルを行った。音響、立ち位置、登降壇順、マイク渡し […]
感門準備の醍醐味は、手を動かし口も動かすことにあり。 8月最後の土日、[守][破][花]指導陣の有志(感門団)で豪徳寺学林堂に集まって、一週間後に控えた感門之盟の下準備に入った。ペットボトル300本に感 […]
「守をちゃんと復習し終えるまで、破へ進むのはやめておこう……」 卒門後、そのように考える慎重な守学衆が毎期何人かいます。けれども、コップに始まりカラオケへ至った学びのプロセスによくよく照らしてみれば、「立 […]
◆感門タイトルは「遊撃ブックウェア」 読書はなかなか流行らない。本から人が離れてゆく。読書はもはや、ごく一部の好事家による非効率でマニアックな趣味にすぎないのだろうか? 読書文化の退行は今 […]
モノに見立てて肖って●54[破]評匠 セイゴオ知文術レクチャー
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コメント
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2025-09-04
「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。
2025-09-02
百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。
2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。