電信柱から大海原へトリプル指南 48[守]

2021/11/10(水)14:00
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 48[守]点閃クレー教室は、開講当日から学衆の回答が鳴りやまない。001番「コップは何に使える?」出題の1時間半後には、最初の回答が届いた。全学衆の回答が期限内に揃う順調な稽古模様が続いた。
 お題004番「地と図の運動会」は、回答目安時間が30分と急に長くなる。あつめる情報の量も範囲も格段に増え、とっかえひっかえ動かさなければ回答できない。[守]稽古の楽しくも苦しい最初のハードルだ。
 師範代の大濱朋子の危惧をよそに、004番もいつも通り、締切日までに回答が揃った。学衆たちは、003番「部屋にないもの」までの速度を維持しつつ、吟味を重ねて「電信柱」という情報から多様な意味を引き出した。

 【電信柱】という「図」に対して、
   【電線】を「地」にすると【サポーター】  (学衆M.T)
   【景観】を「地」にすると【あみだくじ】  (学衆K.K)
   【電子】を「地」にすると【大海原】    (学衆G.T)

 3人分の回答をまとめて指南してこそ、各々の注意のカーソルが際立つと確信した大濱は、トリプル指南で返すことを決めた。トリプル指南は、三輪車から突如一輪車に乗り換えるようなものだ。目配りはもちろん、文章の運びも格段に難しくなる。大濱は、軽々とこの冒険に突き進んだ。

 静かだった学衆たちから次々と声があがった。
「教室みんなの回答と大濱師範代の指南の面白さにハマっています」

 (学衆M.T)
「これまで一連のご指導で、一番響いていますのは、『遊びこころ』

   を持つこと。」(学衆K.T)

 学衆の眼は、教室を揺るがす師範代の方法にも向かった。「大濱師範代は、どのような編集術を使っているのだろう?」好奇心が教室に満ちてきた。

 学衆が編集を終えた回答が、師範代の手によって再び生き生きと動きだす。師範代はこの先どのような魔法を繰り出すのか。学衆たちは何を手にするのか。38の番稽古はまだ序の口だ。

 

 


  • 阿曽祐子

    編集的先達:小熊英二。ふわふわと漂うようなつかみどころのなさと骨太の行動力と冒険心。相矛盾する異星人ぽさは5つの小中に通った少女時代に培われた。今も比叡山と空を眺めながら街を歩き回っているらしい。

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