中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
守の折り返し点、用法2最後のお題「層なんです」。2つの事象の「目盛り」を取り出し、重ね、混ぜ混ぜしながら新たな「目盛り」をつくるジャグリング風味のお題である。
2つのうち一つは「人の成長の目盛り」を使うというしばりがある。
◆八段プラモデル教室のTさんは「初めての友達作り」に「家庭菜園の野菜作り」を重ね、初めは何もない、つながらないのが当たり前だと気づいた。
◆唐傘さしていく教室のNさんは「相手と比較しない力」に「銭湯での体験」を合わせ、他人と比較しないことの気持ちよさをイメージできた。
◆きざし旬然教室のIさんは「エレキギター」の習熟に「ねぎ牛タン塩を食すまでの工程」を混ぜ、猛練習にふさわしいオノマトペは「めらめら」だと発見。
◆アニマ臨風教室のUさんは「新しい街に馴染む」段階と「後乗せ天ぷらの硬さ」をかけて、街のなじみ具合に段階的な楽しさがあると感じた。
なにかの過程を層になって並んだ構造としてとらえた場合、層の区切りとなるのが「目盛り」だ。
018番では、すでにある「目盛り」の見え方と意味の変化を感じてほしい。卒門まで2カ月、見方はどこまで変わるだろうか。
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
ゲストは田中優子学長!!「九州の千夜千冊」刊行記念イベント必聴です
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コメント
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2025-10-29
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2025-10-28
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2025-10-20
先人の見立て力にひれ伏すしかないと思って来た「墨流し」。戯れに、Chatさんに「蝶のスミナガシを別の見立てで改名するにはどんな名前がいいですか?」と尋ねてみて、瞬時に現れた名答に打ち拉がれております。