宮谷一彦といえば、超絶技巧の旗手として名を馳せた人だが、物語作家としては今ひとつ見くびられていたのではないか。
『とうきょう屠民エレジー』は、都会の片隅でひっそり生きている中年の悲哀を描き切り、とにかくシブイ。劇画の一つの到達点と言えるだろう。一読をおススメしたい(…ところだが、入手困難なのがちょっと残念)。

ギィィ
パタン
カチャリ。
50守全教室に鍵がかかった。
開講の10月24日から17週間、38のお題を真ん中に回答と指南を交わし、インターネット上の一角にあるスペースが、忘れられない教室になっていった。
モモめぐむ教室師範代の中村裕美は、学衆に語りかけた。
今ぴんとこないことも、時が違えばハッとする。
それが明日なのか、一か月後なのか、一年先なのか、分かりません。
だから時々様子を見てやってください。タネが芽吹いた瞬間を。
これから先、ふと迷うことがあれば、立ち寄ってみてくださいね。
教室はいつでも閲覧可能です。
ミネルバ・ロードス教室の師範代、黒田領太はチームラウンジでつぶやいた。
熱い稽古をここでしてきたんだ、もうこの時間はこないんだと思うと胸が熱くなります。
終わりという区切りがあるから、これまでの道のりを振り返ることができる。
傑作ペパーランド教室の西村洋己は「私はこの指南を通して師範代になっていくことができました」と学衆に感謝し、ここいら普門教室の大塚剛史は「未完成を恐れずに、さらなる編集に向かっていってください」と、代々ビオトープ教室の森川絢子は「不足の発見は、可能性の発見である」と学衆を勇気づけた。
施錠された教室はもう動かない。編集稽古の初心が結晶化することで、各人の胸の中の面影となり、次の扉へと向かえるのだろう。
過ぎし扉と新たな扉に
鍵を。
釣果そうか!教室師範代、稲森久純が施錠と同時に放った言葉だ。そう、一つの扉を閉めた鍵は、次の扉を開くことができるのだ。
この春、50[守]を巣立った面々は次なるさしかかりへ。どんな鍵穴を見つけるのだろうか。
◆「教室」を体験したいなら ― 51[守]申し込みへ
[守]基本コース(51期)
2023年5月8日~8月20日
https://es.isis.ne.jp/course/syu
◆[守]に続く扉なら ― 50[破]申し込みへ
[破]応用コース(50期)
2023年4月24日~8月13日
https://es.isis.ne.jp/course/ha
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
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コメント
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2025-09-18
宮谷一彦といえば、超絶技巧の旗手として名を馳せた人だが、物語作家としては今ひとつ見くびられていたのではないか。
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2025-09-16
「忌まわしさ」という文化的なベールの向こう側では、アーティスト顔負けの職人技をふるう蟲たちが、無垢なカーソルの訪れを待っていてくれる。
このゲホウグモには、別口の超能力もあるけれど、それはまたの機会に。
2025-09-09
空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。