肖るとは“たくさんのわたし”──花伝師範の烈火入魂メッセージ 第73回感門之盟

2020/03/14(土)23:30
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 レディーモトカ。深谷もと佳師範の言葉はいついかなるときも入魂だ。

「肖るって“たくさんのわたし”のことじゃないかな」

 

 30花で花伝師範に初登板。タナアキ所長こと田中晶子が「この2年で花伝式目を変貌させた女神」と絶大な信頼を寄せるハイパー師範。第73回感門之盟のISIS花伝所放伝式で、花伝師範を代表して渾身のメッセージを放った。

 

 今回のテーマは「あやかり編集力」だ。「あやかり」とは、揺れ動いて変化することであり、感化されて似ていくこと、骨肉相似ること。これが似ないと「不肖」となる。

 

 では、師範代は何に肖るのか。何が肖られるのか。

 

 それこそがISIS花伝所の方法の要諦であるところを、深谷は平明な言葉でずぶりと縫い止める。

「編集稽古は他者の目に委ねること。委ねてもらえるかどうかが師範代の力量」

「今はまだ肖られるのを待っているモノ・コト・人を、きらきらと輝かせていくような編集を学んでいきましょう」

 

 「指南」というあやかり編集力は、別様可能性を豊かにし、存在としての力に通じていく。

 変化を多重多層多元に、そして縦横無尽に。この骨法を身体に通して、斬りこんでみてほしい。カミソリの切れ味で社会と時代に切り込む深谷の「髪棚の三冊」のように。

 

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  • 福田容子

    編集的先達:森村泰昌。速度、質、量の三拍子が揃うのみならず、コンテンツへの方法的評価、厄介ごと引き受ける器量、お題をつくり場を動かす相互編集力をあわせもつ。編集学校に現れたラディカルなISIS的才能。松岡校長は「あと7人の福田容子が欲しい」と語る。

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