物語講座第13綴の「冠綴賞」は、ねじ式結晶世界文叢の竹岩直子が受賞した。今期、各賞は5人の叢衆で分け合うかたちとなり、「接戦」を制しての受賞である。残念ながら感門之盟への当日参加はかなわなかったが、受賞を知らされた瞬間の喜びが弾ける様子は、ZOOM録画にて共有された。
竹岩の知は、豊かな感受性と透徹した洞察が両立する、イシス流に言えば「アリスとテレス」の総和がたいへん大きな知である。その片鱗は学生時分から、語る言葉に、綴る文字に、あられもなく宿っていた。トリガー賞受賞作「絨毯の森」は、小濱有紀子創師が指摘するとおり五感をしみじみと刺激するが、言語聴覚士という本業からの、硬質の知識と観察眼が物語の「地」によく織り込まれていることも感じさせる珠玉の掌編だ。
母校である高校の教員の勧めでイシスの門を叩いた。「出藍の誉れ」とは、越えられた師にとっての誉れであることは言うまでもない。
川野貴志
編集的先達:多和田葉子。語って名人。綴って達人。場に交わって別格の職人。軽妙かつ絶妙な編集術で、全講座、プロジェクトから引っ張りだこの「イシスの至宝」。野望は「国語で編集」から「編集で国語」への大転換。
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【インタビュー】イシスの講座に大工の影? 44[守]の学番匠
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