自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
オンラインだって地域の特色を盛り込まずにはいられない。
今年もISISフェスタ「エディットツアースペシャル」の季節がやってきた。
札幌には毎年雪が積もる。
ただ雪が積もるだけなら日本各地で見られるのだ。
しかし、年間5メートルもの「豪雪」が積もる「100万都市」となると世界でも珍しい。
実は札幌は世界的にも稀な雪の街なのだ。
“雪と190万人の市民生活はどのように編集されているのか?”
「全体テーマの『探せ、方法日本!』にピッタリじゃないですか?」
勢いで乗り切ろうとする神尾美由紀(44[破]一等ピノコロジー教室師範代)はべちべちとテーブルを叩く。それとは対照的にじっくりと内容を吟味するのはベテランの岩野範昭(34[花]花伝錬成師範)だ。神尾の提案を聞きしばらく考えたのち、ゆっくりと口を開く。
「千夜千冊の第一夜は、中谷宇吉郎の『雪』でしたね」
岩野のこの一言で、「核」がうまれた。
あとは凝集あるのみだ。

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知っているようで、意外と知らない雪に<方法>の光を当てる札幌会場。
昨年に引き続きナビゲータを務めるのは、明るくテンポの良い語り口が持ち味の神尾と、思考の軌跡を鮮やかに見抜く目を持つ岩野による道産子コンビだ。
雪の名残と春の訪れが交錯する3月の札幌。新しい季節の訪れとともに、瑞々しい編集力が芽吹きます。
イシスフェスタ・オンラインツアー
「記憶する雪、編集する街」
■日時:2021年3月20日(土)10:30-12:00
■会場: Zoomを利用します
お申込の方に参加用URL、パスワードをお送りします。
■定員:先着12名
■料金:1100円(税込)
インターアクター:
岩野範昭(師範/ICT系営業)
神尾美由紀(師範代/システムエンジニア)
■申し込みはこちらから
written by 神尾美由紀
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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田中優子の酒上夕書斎|第五夕『苦界浄土』石牟礼道子(2025年10月28日)
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コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。