発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

「マツオカのM」と「マサチのM」、あわせてMM対談がもうまもなく実現する。今月12月19日(日)、松岡正剛校長と大澤真幸さんの対談ライブが放映される。イシス編集学校の新講座《多読ジム・スペシャルコース「大澤真幸を読む」》の修了を記念して行われる「読了式」に組み込まれた、まさにスペシャルなプログラムである。読了式は、イシス編集学校の受講者であってもなくても誰でも参加可能だ。
おそらく対談は「世界史」もしくは「世界」という壮大なスケールの編集像をめぐって展開される。なぜなら、多読ジム・SPコース「大澤真幸を読む」の課題本が、『〈世界史〉の哲学』(講談社)という大著シリーズだったからだ。とはいえ、本書を「まったくの未読だ」という方も、イベントの参加に及び腰になる必要は、まったくない。
大澤真幸といえば、語ればチャーミング。書かせれば、なおチャーミング。かつ、ドリーミング。ナマ真幸のマジカルなモード編集に乗ってしまえばこっちのもの。知の両巨匠を前にして、わずかな知識の有無を気にしている場合であろうか。むしろこのイベントをきっかけに大澤真幸、特にナマ真幸の魅力を堪能してもらえれば本望である。
そうは言われても大澤真幸をまったく知らない、不安だという方もいるだろう。そんなみなさんのために(ではないけれど)、松岡校長が『〈世界史〉の哲学』の超要約版ガイドを提供してくれている。これだけ読めば参加資格の半分以上を手にしたようなもの(残り半分以下は「3300円(税込)」の格安チケットを購入するだけだ)。「セイゴオほんほん」の「ほんほん45 大澤真幸を多読する」には次のように書かれている。
◆その多読ジムで、この秋から大澤真幸の『〈世界史〉の哲学』(講談社)という大著シリーズをみんなで読むことになった。すばらしいシリーズで、こんな本は日本になかった(世界でもない)。
◆古代篇がキリスト教と資本主義の両面から世界を眺望する見方を、中世篇は都市が「死体」によって繁栄した理由や愛を説く宗教がセックスを原罪にした理由などを解く見方を、近世篇がルネサンスと宗教革命とニュートン力学が矛盾しあい連携しあいしながら世界観をつくりあげようとしたプロセスを浮き彫りにする。近代篇は「主体の誕生」とドストエフスキーを通した「資本主義の父殺し」の2冊になっていて、西洋近代が大半の世界ゲームをつくりあげたのはどうしてなのか、その仕組みに問題がないのかということを問う。東洋篇はあれほど中国やモンゴルが巨大な世界帝国をつくりあげたのに、なぜ世界史の主人公を欧米が握ったのか、では東洋の思想システムには何が長けて、何がなかったのか、そこをめぐる。
ここまでMM対談を中心にご案内したが、むろんメインディッシュは「読了式」アンド「大澤真幸賞」の発表であることはお忘れなく。約一ヶ月で一万字書き上げた”知まみれ””知みどろ”の読書戦士たちの有終の美の見届けてほしい。プログラムは次の通り。ふるってご参加ください。
ISIS FESTA 多読ジム・スペシャル「読了式」
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●日時:2021年12月19日(日)14:00~17:00
●出演:大澤真幸(社会学者、多読ジムスペシャル著者ゲスト)
松岡正剛(イシス編集学校校長)ほか指導陣
●プログラム:
1)読了式
2)大澤真幸さんによる「特別賞」発表・講評
3)大澤真幸×松岡正剛校長【スペシャル・セッション】
▼視聴申込はこちらから(受講生以外。zoom利用)
https://shop.eel.co.jp/products/detail/363
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金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。