【48守教室名】もらもら?はいから?宣伝本部? あなたの教室はどれだ

2021/10/02(土)15:00
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へんてこが、たまらない。イシス編集学校での最初の洗礼は、奇妙キテレツな教室名だ。学衆がおずおずと戸をくぐった教室には、それぞれ名前がついている。「モーラもらもら教室」「今さら今こそ教室」「点閃クレー教室」……

学校は世界に数あれど、教室一つひとつに翻訳不能な名を掲げる場はほかにない。その数、開講以来20年間で810。しかもこの謎めく文字列は、卒門のころにはたまらなく愛しくなる。校長松岡正剛の企みだった。

教室名には、師範代の出身地、趣味、職能、センス、読書歴そのほかがいろいろ組み込んである。教室名をつけるのは新生児に名前をつけるのと同様で、心意気を必要とするのだが、しかしこれは教室というコミュニカティブな集団に俳号や道号や屋号をつけるようなものだから、ぴったりなネーミングであるとともに、しだいに教室内チームの共感に変じていくようなものでありたかった。

『インタースコア』1.インタースコアする編集力「共読する教室」p.70

 

2021年9月5日、第77回感門之盟でも17の教室名が産声をあげた。その後さらに、速修コースに名乗りを挙げた3つの名が人知れず誕生した。松岡によるネーミングの数々を、手書きのカードとともにご覧にいれよう。

▲ソファから見守る校長セイゴオ

 


 

◆秦祐也 師範代 / M型スピリッツ教室

 

◆大濱朋子師範代 / 点閃クレー教室

 

◆輪島良子師範代 / 電束青猫教室

 

◆小椋加奈子師範代 / 板付Bダッシュ教室

 

◆はらあやこ師範代 / 源泉宅急便教室

 

◆中尾行宏師範代 / モーラもらもら教室

 

◆畑本浩伸師範代 / いつもトンネリアン教室

 

◆竹岩直子師範代 / はいから官界教室

 

◆妹尾高嗣師範代 / 平蔵もっぱら教室

 

◆與儀香歩師範代 / 断然ユイマール教室

 

◆渋江徹師範代 / じきじき編調教室

 

◆鎌田公子師範代 / いざよい東方神起教室

 

◆藤井一史師範代 / 一調二機三声教室

 

◆國富敬二師範代 / 今さら今こそ教室

 

◆山本ユキ師範代 / オリーブなじむ教室

 

◆高津法子師範代 / キャンピング・サティ教室

 

◆徳能弘一師範代 / イシス宣伝本部教室

 

 

 

 


速修コース


◆佐藤裕子師範代 / しんがりスサビ教室

 

◆西村慧師範代 / 臨間オチョコ教室

 

◆石黒好美師範代 / 平時有事教室

 

教室名を授けられ「うそ〜〜〜〜うれし〜〜〜〜!」と破顔する者もいれば、「重みがありすぎて、腰痛が」と松岡校長の「代」となる務めに慄く者もいる。

 

35[花]放伝生を代表して挨拶をした大濱朋子(点閃クレー教室師範代)は、「未知なる冒険には怪我がつきものだが、キズは創造の『創』」と覚悟をみせた。

「私は新しい門をあけて進みます。みなさんも、前へ、奥へ」 大濱の言葉は、まだイシスの門前で迷っている将来の学衆にも向けられたものだろう。コロナで揺れる有事に必要なのは、イシスで学ぶ「方法」だ。今さら? いえいえ、今こそ。

 


■48期[守] 〆切迫る

・応募締め切り:2021年10月11日(月)

・開講期間:2021年10月18日(月) ~2022年2月13日(日)

お申し込みはこちらから

 

 

文:梅澤奈央

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。