自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
第73回感門之盟で44[守]の師範代に「先達文庫」が授与された。編集学校では一期を全うした師範代に、松岡校長が自ら本を選んで贈る。感門之盟では本を託された学匠が、師範代を対面で称えながら一冊一冊手渡してゆく。

師範代の活躍ぶりを聞き取りながら、校長のメッセージが先達文庫に入れられる。
密談か、抱擁か、はたまた警策か?
◆華岡晃生師範代(ドクター・カーソル教室)
『科学以前の心』(中谷宇吉郎・福岡伸一:編/河出文庫)
◆中山有加里師範代(二歩三歩教室)
『ふたりの証拠』(アゴタ・クリストフ/早川書房)
◆舟本美子師範代(菫色アビシニアン教室)
『人間を幸せにする 猫の童話集』
(ジョン・リチャード・ステーィブンス:編/草思社文庫)
◆松永惠美子師範代(ドラミ助太刀教室)
『遺言』対談と往復書簡(志村ふくみ・石牟礼道子/ちくま文庫)
◆萩原裕樹師範代(愉氣快快教室)
『心はどこにあるのか』
(ダニエル・C・デネット/ちくま学芸文庫)
◆神尾美由紀(ピノコ上等教室)
『やわらかな心をもつ』(小澤征爾・広中平祐/新潮文庫)
◆黒澤朋子師範代(バック・トリップ教室)
『だれでもない庭』エンデが遺した物語集
(ミヒャエル・エンデ/岩波書店)
◆森本研二師範代(ユーヅームゲ教室)
『本と暮らせば』(出久根達郎/草思社文庫)
◆細田陽子師範代(時鐘連音教室)
『深夜の散歩』ミステリの愉しみ
(福永武彦・中村真一郎・丸谷才一/創元推理文庫)
◆橋本高志師範代(事代ハルモニア教室)
『しあわせの理由』(グレッグ・イーガン/早川書房)
◆菅沼利彰師範代(観覧八海山教室)
『世界がわかる宗教社会学入門』(橋爪大三郎/ちくま文庫)
◆山口イズミ(水分カミーノ教室)
『偉くない「私」が一番自由』(米原万里・佐藤優:編/文春文庫)
◆圓尾友理師範代(AIファインダー教室)
『キャパの十字架』(沢木耕太郎/文春文庫)
◆中川将志師範代(五彩ボウイ教室)
『いつも夢中になったり飽きてしまったり』
(植草甚一/ちくま文庫)
◆今田美穂師範代(ラテ・ルナ・マギカ教室)
『紅一点論』アニメ・特撮・伝記のヒロイン像
(斎藤美奈子/ちくま文庫)
◆小桝裕己師範代(トポス清冽教室)
『空間の詩学』(ガストン・バシュラール/ちくま学芸文庫)
◆蒔田俊介師範代(間架結構教室)
『日本書人伝』(中田勇次郎:編/中公文庫)
◆佐藤裕子師範代(幕末カノン教室)
『草原の記』(司馬遼太郎/新潮文庫)

エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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【プレスリリース】新刊『不確かな時代の「編集稽古」入門』(11月13日発売)で、田中優子が学びの未来を問う
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田中優子の酒上夕書斎|第五夕『苦界浄土』石牟礼道子(2025年10月28日)
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コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。