空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。

花伝所は [破]を修了したものだけが許される、師範代養成コースである。第35期花伝所の放伝式。恒例の花伝扇授与の前には、田中晶子所長、深谷もと佳花目付、三津田知子花目付による三頭鼎談がおこなわれた。
今季は道場ごとの花伝師範に二人の錬成師範加わって、初めて三人がかりで入伝生を迎えた。
まるで文楽の三人使いのようだった。
ーーー田中晶子
指南する側も「差し掛かり」を引き受けていかなければ、魂がこもらない。
そのための指導方法、仕組み自体をを開発していくことが私たちの使命だと思う。
ーーー深谷もと佳
価値が一様になっていくなかで、評価の力、批評の力が求められてる。
受容とは抱きしめることだけではなく、問いを投げかけること、別様可能性を見出すことではないか。
ーーー三津田知子
花伝扇授与では、初の花伝錬成師範をまっとうした四名には松岡正剛校長から「花伝」の二文字を書した扇が贈られる。四つの花伝扇には四人四様それぞれの「らしさ」が込められている。校長からマイクを向けられた錬成師範たちは稽古を振り返り、抱負を語る。最初の授与者の梅澤奈央は「師範になれば社会も指南できると思った。それをエディストで実践しています」。梅澤の歯切れの良い発言に校長は「やっぱりウメコだ」とうなずき唸った。
◆梅澤奈央 花伝錬成師範
◆蒔田俊介 花伝錬成師範
◆米田奈穂 花伝錬成師範
◆神尾美由紀 花伝錬成師範
続けて、花伝錬成師範を複数回つとめた人に「師範選書」が授与された。校長が花伝指導陣のために厳選した1冊である。授与を受けたメンバーはこの10名。
林 朝恵 花伝師範
白川雅敏 花伝師範
小倉圭吾 花伝師範
岩野範昭 花伝師範
吉井優子 錬成師範
中村麻人 錬成師範
山田細香 錬成師範
加藤めぐみ 錬成師範
三津田知子 花目付
深谷もと佳 花目付
『事件! :哲学とは何か』
スラヴォイ・ジジェク (著), 鈴木 晶 (翻訳), 河出ブックス
校長は語る。「ジジェクは世界の哲学者のベスト10に入ると思う。何よりも”想像力こそが感染している”と明言してきた。この本にはこんなことを書かれている。この3つは絶対に忘れないでほしい。一、真実は痛い。二、自己は事件からしか生まれない。三、真理は誤謬からしか生まれない」
文:金宗代
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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