発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

何はともあれおめでとうございます。本日(1/9)はジミー・ペイジのお誕生日です。本の世界から幸せと出会いを運ぶサッショーこと大音がおみくじ本第六弾をお届けします。
通算六人目におみくじ祈願処を訪れたのは【スタジオ栞】<あんどー(いい男)>さん。多読ジムseason04最終日のお昼近くに駆け込みの祈願でした。2020年を託した本は『多読術』松岡正剛/ちくまプリマー新書+『伝習録』近藤康信/明治書院。
では、2021年への抱負(?)も聞いてやってください:
コロナが響かない。職場1分、酒場2分、スーパー5分。自宅から半径50M以内からほとんど出ず、唯一得意技”麻雀”をするのに博多天神地区に出向いていたのだが、1年ほど前から編集学校などに入ったせいで、あまり行けなくなった。お陰でコロナの影響が生活、人生に全く響いてこない。”いい男”あんどーに不幸は近づけない事が、証明されてしまったようだ。これだけ世間様と異なった感覚を持ってしまうと来年は”いい男”(キレッキレッ)になりそうで怖い。
あとは野となれ。ガラガラ・ガンガンガン!
おおーっ、末吉? いや笑吉だそうです。毘沙門天さまのお告げです。
『志ん朝の落語 全6巻』古今亭志ん朝・京須偕充編/ちくま文庫
志ん朝については1692夜『名人 志ん生、そして志ん朝』小林信彦で、そのキラッキラぶりが描かれています。YouTubeで今も高座に触れられ、彼が話し出した途端、江戸の風景が色調も空気感も豊かにパアーッと広がるのが、いつ聞いても不思議。<あんどー(いい男)>さんのように家から半径50Mを越えない方でも、時空間の旅ができる、というわけですね。
さらに本シリーズは各巻頭グラビアに掲載された「落語ノート」がお宝。落語には無論テキストはなく、口承での相対稽古が基本ですから、お稽古の後、記憶をたどり補強しながら記されたのでしょう。時に朱が入っていたり、身振り(首の向きを直す等)まで書き込まれたノートを見ると、世の中に苦労のない天才はいないと思い知ります。2021年、”いい男”(キレッキレッ無限)を目指し、あやかってみてください。
<あんどー(いい男)>さんからエディストの皆さんへの伝言は:
……運勢:笑吉
(本書からのお言葉)
「まーあ本当に旦那の声というものは…なんてんでしょうねえ。まあ、他所(わき)じゃあ聴かれませんですよ。ええ、なんとも言えない不思議な声で」(「寝床」より)
☆ 彡 ☆ 彡 ☆ 彡 ☆ 彡 ☆ 彡
大音美弥子
編集的先達:パティ・スミス 「千夜千冊エディション」の校正から書店での棚づくり、読書会やワークショップまで、本シリーズの川上から川下までを一挙にになう千夜千冊エディション研究家。かつては伝説の書店「松丸本舗」の名物ブックショップエディター。読書の匠として松岡正剛から「冊匠」と呼ばれ、イシス編集学校の読書講座「多読ジム」を牽引する。遊刊エディストでは、ほぼ日刊のブックガイド「読めば、MIYAKO」、お悩み事に本で答える「千悩千冊」など連載中。
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コメント
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。