【読めば、MIYAKO 007】『モダン語の世界へ』山室信一 2021年5月23日

2021/05/23(日)08:02
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多読ジムの冊匠・大音美弥子が毎日届けるブックガイド。

ジムに投稿された発言を取り上げて、その言の葉に寄り添った「読めば、MIYAKO」な一冊をご案内します。

 

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⊕今日の多読ジム Season06・春⊕

 

かつて橋本治の『乱世を生きる ―市場原理は嘘かもしれない』を読んだとき、21世紀に消費者は存在するのかという問いかけがあったことを思い出しました。消費とはなんだろう、先のお題に進むためにも地と図の関係をはっきりさせて考えねばと思っています。

いのさん(スタジオ茶々々)

 


山室信一『モダン語の世界へ』(岩波新書)


政治や経済の半歩前に、言葉の乱世があるのではないか。満州国を『キメラ』と見た歴史学者が1910~39年を「モダン語」の時代と呼んだ、目からウロコの書。巻末にはモダン・ガール小辞典。男を飼うカウボーイも男に騙されるクヤシガールも女とか。がんなえしてる今のが乱世度高い。詰んだ。

 

 

 

Info


◉多読ジム season06・春◉

 

∈TERM

 2021年4月12日(月)~6月27日(日)

 

∈MENU

<1>ブッククエスト(4weeks) :須賀敦子さんの本棚から

選び抜かれた約30~40冊の本の森(書籍リスト)から、本の系統樹をつくり、自分だけの本棚を編集します。

 

<2>エディション読み(3weeks):『感ビジネス』 [NOW!]

松岡正剛の「千夜千冊エディション」からシーズンごとに1冊を選び、マーキング読書を共読し徹底体得します。

 

<3>三冊筋プレス(4weeks)  :旅する3冊

読み手を意識したアウトプットで“読筋”に負荷をかけながら、選んだ3冊を創文に仕上げます。

 

∈URL

 https://es.isis.ne.jp/gym

 


  • 大音美弥子

    編集的先達:パティ・スミス 「千夜千冊エディション」の校正から書店での棚づくり、読書会やワークショップまで、本シリーズの川上から川下までを一挙にになう千夜千冊エディション研究家。かつては伝説の書店「松丸本舗」の名物ブックショップエディター。読書の匠として松岡正剛から「冊匠」と呼ばれ、イシス編集学校の読書講座「多読ジム」を牽引する。遊刊エディストでは、ほぼ日刊のブックガイド「読めば、MIYAKO」、お悩み事に本で答える「千悩千冊」など連載中。