【読めば、MIYAKO 013】『〈3・11〉はどう語られたか』金井美恵子 2021年5月29日

2021/05/29(土)08:22
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多読ジムの冊匠・大音美弥子が毎日届けるブックガイド。

ジムに投稿された発言を取り上げて、その言の葉に寄り添った「読めば、MIYAKO」な一冊をご案内します。

 

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⊕今日の多読ジム Season06・春⊕

 

道元『正法眼蔵』の千夜に書かれていた破墨と撥墨のように、読むたびに墨がどう撥ねかえるか、見方が異なる。何度でも読み返すべき一冊と思いました。

枕流さん(スタジオ茶々々)

 


金井美恵子『〈3・11〉はどう語られたか』(平凡社ライブラリー)


ガイガーカウンターより高精度。『紋切型辞典』の本歌取りとして、震災下もメディアに溢れた「ありふれた言葉」を常と変わらず収集=引用してみせた。誤解も逆恨みもなんのその、情報のバグがゆるせないのだろう。凡庸や誤謬を嘲笑うためでなく、自己の限界と切り結ぶことが書かれた本の美しさ。

 

 

 

 

Info


◉多読ジム season06・春◉

 

∈TERM

 2021年4月12日(月)~6月27日(日)

 

∈MENU

<1>ブッククエスト(4weeks) :須賀敦子さんの本棚から

選び抜かれた約30~40冊の本の森(書籍リスト)から、本の系統樹をつくり、自分だけの本棚を編集します。

 

<2>エディション読み(3weeks):『感ビジネス』 [NOW!]

松岡正剛の「千夜千冊エディション」からシーズンごとに1冊を選び、マーキング読書を共読し徹底体得します。

 

<3>三冊筋プレス(4weeks)  :旅する3冊

読み手を意識したアウトプットで“読筋”に負荷をかけながら、選んだ3冊を創文に仕上げます。

 

∈URL

 https://es.isis.ne.jp/gym

 


  • 大音美弥子

    編集的先達:パティ・スミス 「千夜千冊エディション」の校正から書店での棚づくり、読書会やワークショップまで、本シリーズの川上から川下までを一挙にになう千夜千冊エディション研究家。かつては伝説の書店「松丸本舗」の名物ブックショップエディター。読書の匠として松岡正剛から「冊匠」と呼ばれ、イシス編集学校の読書講座「多読ジム」を牽引する。遊刊エディストでは、ほぼ日刊のブックガイド「読めば、MIYAKO」、お悩み事に本で答える「千悩千冊」など連載中。