───仕事は「コードとモード」の組み換えだ。それが編集です。
古今の「推断と仮説」に目を凝らし、東西の「擬装と模倣」に学んで、
病理は「遺伝子異常と形態異型」の組み換えだ。それが診断の本質だと思う。オブジェマガジン『遊』の相似律と病理診断の見立てに目を凝らした。それを受けて校長は、『編集力』でも取り上げているマラルメ、カイヨワ、アガンベンなどの「形態知」を例として取り上げる。ポランニーの暗黙知に共感覚を照合させたりしながら、病理診断の本質に編集力がどのくらい潜んでいるかを校長と探る1時間半であった。
離の火元組に初めて挑戦した時、「蜷川くんの徹底的な用意に学ぶように」と言われた。セレンディピティの「迎えに行く偶然」(1304夜)というのは、用意のことであると教えてもらったのは、蜷川明男別当師範代と松岡正剛校長からだった。
今回の対談にあたり、校長は、わたしの『おしゃべりながんの図鑑』をマーキング読書して臨んでくださっていた。自分の本に校長の赤がいっぱい入っている「用意の痕跡」を目の当たりにして、それだけでわたしは胸がいっぱいになってしまった。
小倉加奈子
編集的先達:ブライアン・グリーン。病理医で、妻で、二児の母で、同居する親からみると娘、そしてイシス編集学校の「析匠」。仕事も生活もイシスもすべて重ねて超加速する編集アスリート。『おしゃべりな図鑑』シリーズの執筆から経産省STEAMライブラリー教材「おしゃべり病理医のMEdit Lab」開発し、医学と編集工学を重ねる試みを続ける。おしゃべり病理医の編集的冒険に注目!
■ピノコのもと 子どもの頃から、からだのしくみに興味があった。『からだのひみつ』はページがばらばらになるまで読み込み、内臓のスケッチに夢中になる子だった。 学研まんが・ひみつシリーズ『からだ […]
■エレガンスとは、 ピッチ上で問題を解決するその方法だ。 ──イビチャ・オシム サッカー日本代表元監督のイビチャ・オシムが亡くなった。1986年にユー […]
<多読ジム>Season09・冬の三冊筋のテーマは「青の三冊」。今季のCASTは小倉加奈子、中原洋子、佐藤裕子、高宮光江、大沼友紀、小路千広、猪貝克浩、若林信克、米川青馬、山口イズミ、松井路代。冊匠・大音美弥子と代将・金 […]
図像的教養と編集学校、そして病理診断【おしゃべり病理医63】
■ヴィジュアル・アナロジー 6月開講の15[離]のお題改編が進む中、“図像的教養”に目覚めてもらうためにはどうするか、というお題が指導陣の中で交わされている。 ウェブの千夜千冊では、寺平賢司さん率いる図 […]
まくまくしちゃう~膜の編集哲学と病理診断【おしゃべり病理医62】
■膜は生きている 千夜千冊1795夜『膜は生きている』にシビれた。私のための編集稽古かしらと勝手に思ったりした。たしかに「膜の思想」は、医学分野でもちっとも育っていない。19世紀に入って顕微鏡の改良が進み […]