格子状に並んだ「9つの給水塔(画像右側)」を皆で眺めながら
動詞をフィルターにして三分類するなら「つかむ/まわす/さす」かな?
感触的な形容なら「ツルツル/ザラザラ/ヒンヤリ」かな?
帽子を被ったヒトっぽさで「シルクハット/ニット帽/和笠」とか?
なんて、賑やかな編集稽古が行われていたのは、2020年7月25日に開催された45守オンライン汁講のワンシーンだ(開催は稽古終盤/用法4が始まった頃)。
これは45守「まるごと給水塔教室」の師範代をつとめていた高橋の野望であった。その手始めとしてベッヒャーのタイポロジー(リンク)に肖って9つの給水塔(リンク)を並べた「教室フライヤー(教室名を題材として編集稽古を語る)」を作成し、稽古番外で活用しようと目論んでいた。
ベッヒャーのタイポロジー(画像左側)は、同一機能の建造物(特に給水塔が有名!)の数多の写真をグリッド状に並べ展示することで、鑑賞者に「同じようだけど/意外と違う!」とその類似や差異などの関係性を考えさせ「わける」編集を促す効果を狙っている。その効果を高めるためか、鑑賞者の注意のカーソルがより「個々の建造物の形状そのものに」向かうよう、正面からのフラットなアングルで/曇りの日に撮影し/モノクロ写真でプリントするよう統一/徹底されているのが特徴的でもある。
冒頭のオンライン汁講の稽古は「ベッヒャーの方法に肖って、給水塔を題材にした」ことで、稽古に参加した学衆たちの間で「わける」ための関係づけ/編集がシッカリと動き出したという次第で、高橋としてはニンマリだったのは言うまでもない。
師範代を務めた45守「まるごと給水塔教室」では、毎週の稽古ダイジェスト(得番録)などにも給水塔語りが溢れていたので「単に給水塔を語りたいだけなのでは?」という誤解が生じたり、本来は給水塔だけに限定されない「たくさんの高橋」を発露する機会が失われてしまっていた。
そんな高橋の心境をも見抜いておられたのか、46破では「望眺世界塔」という教室名を松岡校長から頂いたことで、以降は給水塔に限定されない雑多なフェチを指南に盛り込み/伴走することができたのは実にありがたいことであった(46破 望眺世界塔教室/14綴 夜想曲南軍将軍文叢)。
ということで、引き続きフェチを起点に「編集」を語り続けるべく
毎回なんらかのフェチなアイテムを起点に(まずは再び給水塔から?)、そこから紐解くアナロジカルな「ホップ→ステップ→ジャンプ」で、案外/意外なターゲットに着地できるような連載、ボチボチ始めます!
本記事は、下記のエディスト新春対談で予告された「連載」の予告編です
高橋陽一
編集的先達:ヘッド博士の世界塔。古今東西の幅広い読書量と多重なマルチ職業とディープなフェチ。世界中の給水塔をこよなく愛し、系統樹まで描いた。現在進行中の野望は、脳内で発酵しつつある物語編集の方法を「社会実装」すること。
前回は「給水塔の多様な姿形」を起点に、「モノに宿る力の不思議」を紐解いてみた。今回は、モノの姿形を見るという「視覚」だけでなく、モノの音に耳を澄ます「聴覚」にもこだわってみたい。そこで、この「モノオトとヒトの関係」を紐 […]
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