【特集】ETS群島リレー19@沖縄3 シマ愛はとまらない

2019/10/12(土)09:00
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(※中編はこちら

 

「バリバリからドロドロ、キラキラへ。琉球ガラスの製作工程をオノマトペで表した三間連結です」。

 

 テーブルコーチの土屋克成師範代が編集思考素を紹介する。真っ青な海・豊かな自然・あったかいウチナンチュの三位一体、タコス+ライス→タコライスの一種合成、沖縄=米国+日本の二点分岐。あてはめる情報を2つまで話したあたりで参加者も腑に落ちたのか頷きだす。編集の型によって連想がはたらき、それが共感や理解につながっていく。

 

 ツアーの集大成として、「子どもたちに伝えたい沖縄」を編集思考素で発表した。あるグループはチャンプルー文化を島・海外文化・先祖で、また、あるチームは沖縄の生命力生を自然・祭り・子どもの三位一体に。

 

 最も盛り上がったのは女性ペアだ。「沖縄は離婚率が全国一位だが、そこには母系社会を始原とする女性のたくましさがある。そこで沖縄の女の子たちへのエールとして、『ちゅーばー・なんくるないさ・ゆいまーる』の言葉を贈りたい」という宣言に男性ペアはたじたじ。沖縄の男女の力学がうっすら垣間見えた。

 

 発表の切り口はどれ一つ同じものはなく、どれもがシマ愛で紐帯している。ある参加者が書いていた通り、うちなーは「ひとめ見ただけで沖縄とわかるスペシャルな島」なのだ。

  • 上杉公志

    編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。

コメント

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川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。