【特集】ETS群島リレー10@広島 まそまそエクレアとアメ大福

2019/10/09(水)07:10
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 異国の祭りに迷い込んだのか。何の変哲もない会議室の扉を開ける参加者たちはどこか心細そうだ。

 

 8月10日、広島初のエディットツアーが開催された。9名の参加者のうち、7名はこの日初めて編集術にチャレンジする”初イシス”の体験者だ。

 

 最初のワークは自分をお菓子に見立てて自己紹介する「おかしなわたし」。すっぱくて美味しいレモンケーキに、後味じんわりの山田屋まんじゅう。瀬戸内らしさを感じるお菓子が挙がったあと、自己紹介は「まそまそなエクレア」、「アメの入った大福」など新食感派が注目を浴びた。

 

 続く「コップは何に使える?」のワークでは、情報の「地」を場所、使う人、大きさの順に動かしながらコップの使い道をできるだけたくさん挙げていく。コップをいくつも重ねる赤ちゃんのイラストとともに「スタッキング」や「砂遊び」を挙げた子育て中の女性は「どうしても子供関係のことが多くなる」と呟いた。

 

 赤のハットでキメたナビゲーターの桂大介師範は「編集稽古では子どもの目、幼なごころを大切にしています」と声をかける。参加者たちはとりわけ「子どもは自由にものを見ている」という言葉に刺激を受け、まるで少年少女の心を取り戻したかのように「糸電話」「メガネ」と次々に回答をくりだした。

 

 同じテーブルに着く仲間の「地」も見えてきて、いくぶん気持ちがほぐれた9人はいよいよメインの「たくさんの広島」へと向かう。

  • 浦澤美穂

    編集的先達:増田こうすけ。メガネの奥の美少女。イシスの萌えっ娘ミポリン。マンガ、IT、マラソンが趣味。イシス婚で嫁いだ広島で、目下中国地方イシスネットワークをぷるるん計画中。

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。