【特集】ETS群島リレー13@福島 水も滴(したた)るいい故郷

2019/10/10(木)10:24
img POSTedit

 今夏のエディットツアースペシャルを牽引し、郡山開催を主宰したのは鈴木康代([守]学匠)。郡山会場でも全体進行を指揮した。

 

 サブロールで場をしつらえ、テーブルコーチとナビゲーターを務めたのは、42[守]師範代の原田祥子。当日、8月11日は誕生日だった。自己紹介ワークの「おかしな私」では、自らを「いろいろ味のポップコーン」に見立て、「その心は、あるときは塩味、あるときはキャラメルなたくさんの私」。たちまち会場は笑顔に包まれた。

 

 東京から駆け付けた池澤祐子(43[守]師範)は、松丸本舗でのブックショップエディターのキャリアを生かし、目次読書のナビをつとめた。参加者は、「初めて出会う」「中は見ない」「一分で」という3つルールを守って、鈴木と池澤が持参した30冊から本を選ぶ。本と目次の新しい面白さと奥深さを発見した喜びを相互に交わし合った。

 

 

 メインワークでは、まず福島で誇るべきものを挙げ、情報の地と図を変えながら、編集思考素で語る。ナビゲーターは鈴木康代。「音」を地におくと「田んぼ」「蝉」「雪」ときて、次に「祭り」「花火大会」「松明」と季節の風物が続く。さらに「水」を地にして「猪苗代湖」「阿武隈川」「阿賀野川」。水も滴(したた)る故郷の魅力を再発見し、参加者たちはどこか誇らしげな表情を浮かべた。

  • 池澤祐子

    編集的先達:エディット・ピアフ。21守破エディット・ピラフ教室師範代で、ステージネーム アラ♪ピラフと名乗るシャンソン歌うたい師範。松丸本舗エディターのあと児童指導員に転身。子どもにイッケと親しまれる。登場はいつも「ボンジュール♪~」。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。