自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
増岡麻子
編集的先達:野沢尚。リビングデザインセンターOZONEでは展示に、情報工場では書評に編集力を活かす。趣味はぬか漬け。野望は菊地成孔を本楼DJに呼ぶ。惚れっぽく意固地なサーチスト。
【5月22日参加募集中!】ISIS FESTA SP多読アレゴリア・武邑光裕篇 「記憶の地図と書物の新世紀」~21世紀のアルスとムネモシュネアトラスへ~
現代において、生成AIの進化は、私たちの記憶のあり方に大きな変化をもたらしつつある。中世以降、「記憶術」は記憶に場とイメージを刻み込み、個人の内的世界を構築するアルス(技術)であったのに対し、生成AIデバ […]
SUMMARY 私たちが食べてきたものとは何か。思い返すとそこには過ごしてきた日々の記憶がつき纏う。例えばおやつには家族や友人とのエピソードが潜んでいて、おやつを前にすると誰もが子どもの表情に戻る。小川糸が紡ぐ生死が混 […]
【三冊筋プレス】ブルーとイエローのプロジェクション(増岡麻子)
それは「うつ」だろうか ロシアのウクライナ侵攻、安倍晋三元首相銃撃事件、2022年は悲惨な事件や事故、戦争の映像を多く目にした一年だった。否応なしに目に入ってくる悲惨な場面に心が疲弊した人も多く、私 […]
本から本へ、未知へ誘う「物語講座」&「多読ジム」【79感門】
感門之盟の終盤、P1グランプリの熱も冷めやらない中、木村久美子月匠が、秋に始まる【物語講座】と【多読ジム】を紹介した。 このふたつのコースは守・破の集大成ともいえる。「師範、師範代経験者にこそ受講して、共に […]
<多読ジム>Season10・春の三冊筋のテーマは「男と女の三冊」。今季のCASTは中原洋子、小路千広、松井路代、若林信克、増岡麻子、細田陽子の面々だ。男と女といえば、やはり物語。ギリシア神話、シェイクスピア、メリメ、ド […]
コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。