発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

コロナの春、オンラインで大学の門をくぐったのは21世紀生まれの18歳だった。前代未聞を背負う学生たちは、イシス編集学校にも押し寄せる。
4月某日、学林局では緊急会議が開かれていた。近畿大学の学生受講が始まって4期目となる45[守]。過去最高となる183名の応募があったのだ。定員は40名。選抜には、論述課題が課せられることに決定。視聴課題は松岡正剛校長が出演した「オデッサの階段」。
合格者たちは、4月20日開講当日、Zoom会場に集結した。橋本英人参丞が発破をかける。
「合目的的な学びを超え、未知との出会いを目指してほしい」
激戦をくぐり抜けた彼らは、それを目指すだけの基礎体力をすでに備えているからだ。自分をお菓子に見立てての自己紹介では、全員が即座にチャット応答。
「ねばねばのみたらし団子」
「直進するパチパチ飴」
「すぐ溶けるカカオ75%チョコレート」
3人の近大番(川野貴志師範・山根尚子師範・梅澤奈央師範代)は、指南を忘れ、賞賛という名の飴ちゃんをばら撒く。
川野は太鼓判を押す。
「イシスで学ぶのは、40〜50代が多い。10代、20代の近大生諸君が、大人たちの度肝を抜くことは間違いない」。
かつて近大はこう宣言した。「固定概念を、ぶっ壊す」。
40名の選ばれし若者は、イシスの新しい歴史を作ろうとしている。
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。