ブレイクアウトで行き交ったバーベル本【75感門 多読】

2021/03/16(火)15:31
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 感門之盟のブレイクアウトタイム、多読ジムルームでは「日本する」をテーマとした三冊筋プレスバーベル本トークでさんざめいた。
 区区の選書ぶりを紹介したい。

○勝浦航読衆 『宮本武蔵 五輪書』宮本武蔵 魚住孝至編/角川文庫
○渡會眞澄冊師・読衆 『東西/南北考―いくつもの日本へ―』赤坂憲雄/岩波新書
○中原洋子冊師・読衆 『百代の過客』ドナルド・キーン/講談社学術文庫
○米川青馬多読師範・読衆 『子午線の祀り・沖縄 他一篇』木下順二/岩波新書
○尾崎伸行読衆 『北上幻想』森崎和江/岩波書店
○景山卓也冊師・読衆 『会社はこれからどうなるのか』岩井克人/平凡社
○戸田由香読衆 『逝きし世の面影』渡辺京二/平凡社
○猪貝克浩読衆 『ドナルド・キーン著作集第七巻 足利義政と銀閣寺』ドナルド・キーン/新潮社
○高橋陽一読衆 『ニッポンのサイズ―身体ではかる尺貫法』石川英輔/淡交社
○松井路代冊師・読衆 『文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの』ジャレド・ダイアモンド/草思社文庫
○大音美弥子冊匠・読衆 『近代日本一五〇年』山本義隆/岩波書店
○増岡麻子冊師・読衆 『代謝建築論 か・かた・かたち』菊竹清訓/彰国社

 これらのキーブックに、脇を固めるサブブックが2冊ずつつく。3冊を持ち替えながら、本との出会いはいつなのか、三冊筋プレスで選ぶことになったきっかけ、残すところあと2週間のシーズン05でどんなふうに読んでみたいかのリプレゼンテーショントークが展開した。およそ40分×二日間のブレイクアウトで50冊近くの本が行き交った。
 
 二日目のブレイクアウトで、チャットとトーク両方で加速したのが挫折本話である。
 口火を切ったのは、スタジオゆいゆいの勝浦さん。
 「どうにも、川端龍子の四国遍路の本が進まなくて……」。
 これはもう「イシス共読区プレイバック」で「なんでも聞かんかいな」と、ウメコ師範代のお悩みににズバリ答えた大音冊匠に相談だ。
「なんで読めないんでしょうね。ぜんぶ理解しながら進んでいかなくてもいいと思うんですよ。目次はどうですか?」
 大阪弁の推論を聞きながら、皆それぞれの経験を呼び起こす。
 スタジオ茶々々の松井路代冊師の書き込みが呼び水となり、次々とチャットにも挫折経験が書き込まれる。
「プルーストです」
「フォークナーもむずいです」
「購入したものの、ページ数に圧倒されてまだ未読なタルドの『模倣の法則』です」
「プルーストとの比較では、フォークナーのほうが挫折がち。アブサロムアブサロム!が・・・」
「死者の書です」
「ドストエフスキーの『白痴』に挫折しました。」
 これに対して、
「ああ、死者の書!」
「マンガなど、乗り換えメディアから入るのはどうか」
「アウトプットを用意しておけばなんとなく無理に読めちゃうかも」
 といった対処法もあれこれ持ち出される。
 スタジオこんれんの増岡麻子冊師が、なぜフォークナーに20年ぐらい跳ね返されているのかをプチ語りしたところでブレイクアウトタイムが終わった。20年。同じくフォークナーを挙げていた松井路代冊師に、挫折ではなく長い読中なのかもしれないというアブダクションがひらめく

 感門之盟の翌日、本棚から2年ぶりに『アブサロム、アブサロム!』(岩波文庫)を出してみた。この本のことを思い出すなんてまったく想像していなかった。玉手箱を開けたような気分だ。
 開いて思わず自分にツッコんだ。「ぜんぜんマーキングしてへんやん!」
 少しだけ読んでみよう。黒のサインペンを手に、ページに向かう。
「一九〇九年九月、ミシシッピ州ジェファソンのローザ・コールフィールドの家。語り手は六十四歳のローザ。聞き手は町の青年クエンティン・コンプソン。」
 「一九〇九年九月」に太い傍線をぐいっと引いた。

 


◆多読ジム season06 春

 2021年4月12日(月)スタート!
 申込締め切り3月31日(水) 申込はこちらから
 https://es.isis.ne.jp/gym


  • 松井 路代

    編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。

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