編集かあさん家の感門之盟

10/01(木)20:00
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 これまでの感門之盟は編集かあさんにとって「休日」だった。奈良から東京・豪徳寺まで、特急と新幹線を乗り継いでいくところ。「かあさん」を離れた「わたし」になる長い一日であり、詳しい内容も家族に話したことはなかった。

 

 20周年感門之盟はオンライン2days。9月20日午後1時、長女(7)の送迎が遅れ、まだ車中にいた。車を路肩に停車させ、ズームをつなぐ。バイパスを走りながら校長のオープニングメッセージを聞く。あらゆるところが感門之盟になる! これまでとはまったく違う様相を見せそうだと予感した。
 急ぎ足でマンションに戻り、リビングでパソコンを起動した。感門之盟番組表を傍らに見ていると、長男(12)がのぞきこんできた。
 「今、どこやってる?」
 卒門ジャパンがちょうど始まるところと答えると、番組表をとりあげてじっと読み入る。「ポンカン男ってなに?」と破顔、「さらにラクダって?」 次々、質問が飛んできた。
「近大からの中継はまだ?」
 もうすぐだというと、横に座った。
 スポットライトが近大ビブリオシアターに切り替わる。
 「おおー、近大! こんなところなんだ」
 さらに九州、耶馬溪から。「組長だ!」と言いかけると「組長!? すっごく怖そうなんだけど、どういう団体なん?」 イシスには地域支所があってねと説明する。
 このあたりで少し進行が遅れていることに気づいた。
「この遅れ、どうするんだろう?」 意外なことにより身を入れて見始めた。
 ”何分おし”かをその都度計りながら、感門表と先達文庫、「千夜の12のひみつ」、ゴジラが吠えるサッショートーク、エディストLiveを一緒に見ることになった。SEIGOWの部屋が終わって立ちあがり、身体を伸ばしていると、エモーショナルな音楽が始まった。
 番組表に無かった司会・佐々木千佳局長へのサプライズである。
 林頭や花伝所所長のメッセージとともに写しだされるのは、私も初めて見る写真ばかり。「みなさん、寝ずに準備をしているのに、さらに……」と佐々木局長が声を詰まらせる。
 松岡校長が声をかけ、肩を抱く様子を、長男も立ち止まって見入っている。
 歴史的現在、関係のモデルを家庭にいながら目の当たりにしている。こんな「家庭教育」って他にない。いや、どこにでもあって、どこにもない。職住近接のかつては普通だったのだろうか。さまざまなアブダクションが頭の中をかけめぐった。

 


 二日目、楽しみにしていたのは出世魚する教室名と『情報の歴史』。そして近大DONDEN祭である。田中圭一先生が挿絵を書いた『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(宝島社)は愛読書のひとつなのだった。「ええっ、もっと若い人だと思ってた!」と驚く。トーク中に紹介された、初音ミクを取材したウェブ連載にもすぐにアクセスしてみる。ぜんぶ読みたいぐらいおもしろそうだ、あとでゆっくり見てみようということになる。
 『情報の歴史2020』も予約した。

 私がところどころ、記録のためにスクリーンショットしていると、途中から長男が代わって撮り始めた。2日間でその150枚あまり。
 もっとも長男の心を掴んだのは「エディット・ジャパン」の旗だった。昼、夕方、夜と時間帯によって変わっていく。グランドフィナーレ近くには「火の粉が飛んでる!」「動画バージョンもあったんだ」すごいと繰り返しながらもれなく撮る。
 翌日、「これで全バージョン揃ってるかな」といいながら、トリミングを施し、細部までじっくりと味わっていた。

 感門之盟を見ながら、日課にしている夕日の観察と撮影もしていた。9月20日の夕焼けは、今年一番といえるほどの鮮やかさだった。

 

 

 

 

9月20日の奈良の夕焼け


  • 松井 路代

    編集的先達:中島敦。12歳の長男と独自のホームエデュケーション。6歳の娘、夫と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。

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