イドバタイムズ issue.14  ラップアップでGo!子どもプランニングフィールド秋へ

2022/10/08(土)12:00
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 9月最後の日曜の朝、「ラップアップ&Goパーティー」が始まった。ZOOMの画面からは、おそろいの帽子やアフロ、きらきらの飾りやティアラも見える。スタートして半年の子ども編集学校「子どもプランニングフィールド」の体験をつなぎ、次に向かうための節目の会だ。

 

 プランニングフィールドには「お題」「ゲーム」「ナビ」の3チームが存在する。パーティーの前半は、各チームが半年の活動を披露しあった。

 

●言い替えると深まる ― お題チーム

 お題チームでは、[守]の38題を子どもと一緒にできるようなアイデアを集めた。各自が実際にやってみたお題を持ち寄り交わしあう。例えば、[守]の最初のお題「コップは何に使える?」は、子どもの年齢や興味によって「家の中でコップを5つ探してみよう」や「コップに似ているものを探そう」と姿を変える。
 メンバーの北村は「お題っぽいものやお題のシソーラスを考えた4か月だった」と語る。言い替えることでお題の理解がいっそう深まったことも発見だった。

 

 

 

●産み落とされた“ゲーム戯法”という方法 ― ゲームチーム

 なぜゲームだったのか。ゲームチームの野村から「子ども編集学校は、子どもが自ら没頭する場になるといい。ならば子どもが没頭しているものをリバースエンジニアリングしてみようとゲームに着目した」とその意図が明かされた。
 人気のゲームを分解してみると、すでにあるゲームを読み解き、新たなアイテムを持ち込むというモデルが共通することに気づいた。ゲームを通して、ルル三条を読みとく「読む」と、ルールを読み替え換骨奪胎する「作る」の一種合成が体験できるのではないか。ゲームチームはこの概念を「ゲーム戯法」と名づけ、「作る(創る)ことは遊ぶこと」という文化を醸成したいとの志を掲げた。

 

 

 

●まわりながら開いていく ― ナビチーム

 いろんな場所でいろんな人と楽しめるプラン作成と実践力アップを目指したナビチームでは、ワークショップの開催を通して、オンライン特有のインストラクションやツールなどを蓄積してきた。
 福岡で行った「よみかき編集ワーク」では、ゲームチームが開発した「ことばロケットゲーム」を使ってみるなど、プランニングフィールドの活動を外に持ち出す役割も担う。
 報告者、得原のパワーポイントに描かれた円がぐるぐる回ると、参加者からどよめきがおこった。動きながらロール・ルール・ツールをつくり、次々に開いていくプランニングフィールドを象徴していた。

 

 

 

「同じ時期にこれだけのことが動いていたんだ!」との声もあがったラップアップ&Goパーティー。春からの歩みを慈しみ、秋への期待が高まる時間だった。

 

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★プランニングフィールド2022秋・募集概要★

 

◆期間:2022年10月14日~2023年3月

 

◆活動内容:

・お題研究
・子供向け・親子向けワークショップの企画、実行、参加
 よみかき編集ワークショップ
 お正月エディッツの会
 年中さんの会
 等々
・それぞれのやってみたいこと
・メディア化

 

◆活動頻度:
 月1回程度の企画的お題(タイトルミメロギア、読書会、ワーク案出し、ファシリテーションなど)
 月1回程度のミーティング(チーム、活動内容による)


◆参加費:6600円/半年

◆募集:「子どもたちに編集の型を手渡す方法」に関心がある方
    イシス編集学校「破コース」でプランニング編集術を学んだ方
    (※破受講中、突破未満の方もご相談ください)

    親子参加、大人ひとり参加etc 参加の仕方は自由です。


◆参加申し込み:
 https://shop.eel.co.jp/products/detail/455

 第一次締切 10月12日(水)

 

◆子ども編集学校プロジェクトサイト
 https://es.isis.ne.jp/news/project/2757

 (ほぼ毎日更新中)フェイスブックページ
 https://www.facebook.com/kodomo.edit

 

◆お問合せ:kodomo@eel.co.jp

活動主体:イシス子ども支局
神尾美由紀、長島順子、景山卓也、上原悦子、得原藍、
浦澤美穂、吉野陽子、松井路代、石井梨香、野村英司
学林局長 佐々木千佳

 

 

  • イドバタ瓦版組

    「イシス子どもフィールド」のメディア部。「イドバタイムズ」でイシスの方法を発信する。内容は「エディッツの会」をはじめとした企画の広報及びレポート。ネーミングの由来は、フィールド内のイドバタ(井戸端)で企画が生まれるのを見た松岡正剛校長が「イドバタイジング」と命名したことによる。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。