イドバタイムズ issue.2 きなこ雑煮に納豆雑煮!? 1/16お正月エディッツの会

2021/12/29(水)15:28
img POSTedit
編集学校の方法を子どもたちのために外へつなぐ。
「イドバタイムズ」は子どもフィールドからイシスの方法を発信するメディアです。

 

◆イシス子どもフィールド親子参加型編集ワークショップ「お正月エディッツの会」、2022年1月のテーマはお雑煮◆

 

 お正月料理の代表格なのに、人によってイメージする「お椀の中身」がまったくといっていいほど違う。それが「お雑煮」。
 お雑煮は、一途で多様な食べ物なのだ。

 お正月をテーマにしたワークショップを構想しはじめた時、多読ジムスタジオで石井梨香読衆(48[守]番匠)から『お雑煮マニアックス』(粕谷浩子著,dancyuムック)という本の情報が届いた。
  さっそく取り寄せて開いてみると、予想を超える多様性に既存のイメージがひっくり返った。沖縄などお雑煮を食べない地域もあるということも初めて知った。 

 九州在住の石井読衆がもっとも衝撃をうけたのは、餅を取り出し、納豆にからめて食べる熊本の納豆雑煮だった。
 奈良では、白みそベースの汁から餅を取り出して甘いきなこをまぶして食べる。「餅を取り出して、甘いものにからめて食べる」という「型」は一致している。
 奈良では具はすべて輪切り、餅は丸。焼いて入れるものと思い込んでいたが、本によると、ゆでていれる家もあるらしい。
 熊本でも、全家庭が納豆雑煮をたべるわけではないだろう。加賀など、他の地域でも家庭によってさまざまなスタイルが混在している。それは、かつての「お殿様」の命令がどれぐらい届いていたかをはかるスコアでもある。

奈良のきなこ雑煮

 

 

 thereを知れば、hereがコンヴィヴィアルになる。
 お雑煮を【分節化】【収集】【比較】し、マッピングしたりマトリックスを作ってみたらどうなるだろう。「型」を取りだしたうえで染め替えて「新しいお雑煮づくり」を遊ぶというワークショップ企画が立ち上がった。親子でも、子どもだけでも、大人だけでも参加できる。大人フィルダーと子どもフィルターが重なることで意外な相が見えてきそうだ。
 お雑煮ワークのゲスト講師は「野菜の断面と根っこが特に好き」と語る野菜フェチの若林牧子[守]番匠。オープニングは、名古屋で寺子屋をひらく野村英司師範代が編集ゲームをナビゲートする。

 

<お正月エディッツの会・開催要項>

●日時
1月16日(日)10:00~12:00
オンライン(Zoomを使用します、大きな画面推奨)

 

●参加費
フィールド会員550円
一般の方1,100円

*お申し込みはこちらのフォームからどうぞ。

*子どもフィールドメンバーの方は「フィールドメンバー割」をご選択ください。
*どなたでもご参加いただけます。親子参加歓迎、大人のみの参加もできます。

 

●次第
・ミニ編集ゲーム
・お雑煮マップ 発表
・二軸四方お雑煮マトリックス
・「新しいお雑煮」をエディッツ!しよう

 

●ゲスト講師

若林牧子さん
(野菜ソムリエコミュニティTOKYO代表/イシス編集学校 48守番匠)

料理やテーブルコーディネートなど食卓を彩るお手伝いをする傍ら、野菜ソムリエコミュニティTOKYO代表、江戸東京野菜コンシェルジュの活動を通じて食文化や農産物を探求する野菜フェチ。

●企画・ナビ
子ども支局メンバー
(神尾美由紀、長島順子、景山卓也、上原悦子、得原藍、浦澤美穂、吉野陽子、松井路代、石井梨香、野村英司)


●関連本
お雑煮マニアックス
(粕谷浩子著、dancyuムック)

 

 

熊本の「納豆雑煮」(『お雑煮マニアックス』より)

 

●お問合せ:kodomo@eel.co.jp

  • イドバタ瓦版組

    「イシス子どもフィールド」のメディア部。「イドバタイムズ」でイシスの方法を発信する。内容は「エディッツの会」をはじめとした企画の広報及びレポート。ネーミングの由来は、フィールド内のイドバタ(井戸端)で企画が生まれるのを見た松岡正剛校長が「イドバタイジング」と命名したことによる。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025