本楼おやこ塾-親も本気の読み書き編集【後編】

2019/11/12(火)10:46
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 お父さん、お母さんが本気だ。2019年8月24日、この夏2回目の本楼おやこ塾では、3組の親子が読書感想文に効く「読み書き編集ワーク」に取り組んだ。親も好きな本を持参して、子どもと同じお題にきっちり答え、前にでて発表した。

 

 リンゴをめぐる連想ゲーム、4つのシーンをつかったお話づくりを挟みつつ、キーワード、ホットワードをつかった本のキャッチコピー作りへ進む。同じモノ、同じシーンから、子どもは昔話を、大人は現代社会の問題を見出す。人によって全くちがう連想がはたらく面白さに、感嘆と拍手が起こる。

 

 ナビゲーターは、ユーモアもキレもある豊田香絵師範代。みんなの連想をすらすら板書し、絶妙の合いの手で子どもたちを励ます。

 

 最後に全員が本のキャッチコピーを発表した。子どもたちは、主人公の魅力や、主人公が出会う謎に注目。大人は、自分が惹かれた事柄を具体的にあげる。子どもにとってコピーを作るという要約編集は、かなり難しい。お父さん、お母さんがイキイキとお手本を見せる姿が、頼もしく輝いていた。

 

 「本の読み方や感想に正解はない。それぞれの読み方、感じ方を大切にしてほしい」豊田師範代のメッセージで締めくくられた。

 

 

  • 原田淳子

    編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。