発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

後藤由加里が撮影した松岡正剛のポートレートが「APAアワード2023 写真作品部門」に入選した!
APAアワードは、日本広告写真家協会が主催する1961年から続く歴史ある写真公募展。広告写真部門と写真作品部門の2部門があり、フォトグラファー・広告写真家の登竜門と言われている。
遊刊エディストで目にする編集学校イベントの多くの写真は、ここ数年、後藤由加里が撮影しているが、中でも松岡正剛の撮影には一際力を入れている。最新の千夜千冊エディション『戒・浄土・禅』の著者紹介の写真も後藤が撮影したものが掲載されている。
イシス編集学校の師範でもある後藤は、現在エディスト編集部でマネージメントをしながら、最近では筆者も所属するエディストカメラ部の部長としてインスタ向けの写真撮影にも励んでいる。これらの活動に加えて、松岡の仕事を追いかける撮影は3年くらい続けている。松岡正剛事務所や編集工学研究所スタッフの協力も得ながら、伝習座や感門之盟、外部で行われる講演にも記録撮影として参加して、カメラを通して松岡と対話をしてきた。被写体となる松岡との距離も時間をかけて近づけてきたからこそ、松岡の顔だけでなく、手元や煙、後ろ姿にも現れる表情をとらえることができたのだろう。
入選作タイトル「紫煙」
2023年2月から開催される東京都写真美術館の展覧会にもぜひ足を運んで、プリントされた松岡正剛ポートレートを空間の中で目撃して欲しい。
写真提供:後藤由加里
第51回公益社団法人日本広告写真家協会公募展 APAアワード2023
日 程 2023年2月25日(土)~3月12日(日)
場 所 東京都写真美術館 B1F展示室
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コメント
1~3件/3件
2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。