中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
 
                                                                                 
        
        
         
                         
                方法日本を極める「間庵」第3講で、松岡校長の「戯画」がずらりと本棚劇場にならんだ。総数は10点をこえた。
校長が「両頁主義(りょうけつしゅぎ)」をテーマに2000年代につくられたもので、東西の甲骨書立や、禅の十牛図など、一対アワセの見開き作品群だ(下写真:産経EXでの連載「BOOKWARE」で作品を紹介しつつ両頁主義を告白された)。
校長は、ダブルページこそが、2000年以上にわたって人類のリーディングスキルの基本を支えてきたと確信する「見開きフェチ者」である。
「科学道100冊」2022年版の編集制作が大詰めだ。
松岡校長と「本を映す」ことを試行錯誤し続けてきたEEL小森がカメラマンになり(全182回の連載BOOKWAREの写真も担当)、エディターのニレと伊藤がイメージと構成を考え、100冊の科学本を撮影している。
本の表情や肖像だけでなく、その物体性や技巧性も、それから本がもつ声や夢や物語や見開きに現された世界観も、投影した写真やパンフレットになるようにアートワークしている。ぜひリリースの際には、パンフレットも見ていただきたい。
[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]
//つづく//
                            
橋本英人
函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。
かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]
「日本流(経営)の本質は、異質なものを編集する力だったはずだ。ーーー異質なデータを価値ある情報に編集する知恵がこれからの勝負となる。それをセマンティックプラットフォーマーと呼んでいる。」 一橋大学ビジネスス […]
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赤坂から、赤堤へ。 2012年12月、EELは6万冊の本と一緒に、赤坂から赤堤(最寄りが豪徳寺駅)へと引っ越しをした。知の移転を行った。 そこからちょうど10年、校長への献本や千夜本や、EELプロジェクト関 […]
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2025-10-29
 
                                                                                中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
2025-10-28
 
                                                                                松を食べ荒らす上に有毒なので徹底的に嫌われているマツカレハ。実は主に古い葉を食べ、地表に落とす糞が木の栄養になっている。「人間」にとっての大害虫も「地球」という舞台の上では愛おしい働き者に他ならない。
2025-10-20
 
                                                                                先人の見立て力にひれ伏すしかないと思って来た「墨流し」。戯れに、Chatさんに「蝶のスミナガシを別の見立てで改名するにはどんな名前がいいですか?」と尋ねてみて、瞬時に現れた名答に打ち拉がれております。