オンライン伝習座速報「事大主義をベースに知を大とする」吉村林頭メッセージ

2020/05/02(土)20:29
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オンライン伝習座の新しい試みの一つとして、「師範による『千夜千冊エディション』語り」がある。

師範が『本から本へ』『情報生命』『理科の教室』『感じるビジネス』といったエディションについて語りのリレーをするコーナーだ。

最新のエディション『大アジア』の章立てをバトンに、吉村林頭がスタートラインに立った。

 

「第1章では古代から中世前の東アジア、第2章ではこうありたかった近代アジア、第3章では歪められていった大アジア、第4章で西洋歴史観から見たアジアへの物申すものが語られる。」

 

編集工学研究所では、千夜千冊のメルマガ「千夜千冊プレス」を発行しているが、吉村林頭は昨年末に大アジアの千夜千冊3連打(「事大主義」「思想課題としてのアジア」「アジア英雄伝」)のプレスを担当した。

 

「『事大主義』はベース、こうありたいアジア像に向かったのが『思想課題としてのアジア』、そうしたアジアをターゲットに駆け抜けたのが『アジア英雄伝』と一気通貫に読みたいと思った。」

 

となるとベースとなる事大主義とはどういうものか。

 

「孟子の『以小事大』、つまり小国を以って大国に事えるが由来。この『大』がかつては中国で、今は西洋になっている。」

 

となると何を「大」として事えるのか。

 

「それは『知の編集術』にある編集は不足、対話、遊びから生まれる、編集は照合、連想、冒険であるであって、六つの編集ディレクションだと。」

 

「大イシス主義者」な吉村林頭の提言から次の師範へバトンがつながった。

 

※画像のオンライン左手前はスイッチングやSEの穂積スタッフ、右奥が吉村林頭。

  • 上杉公志

    編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。

コメント

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川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。