1.編集は、「可能性を増やす」方向にむかう
2.編集は、「新しい価値・意味」をつくる
3.編集は、「人や場を生き生き」とさせる
4.編集は、「ものごとを前に」すすめる
5.編集は、「与件から」はじまる
6.編集は、「よくよく練られた逸脱」にむかう
編集学校で密かに知られている「6つの編集ディレクション」だ。
吉村堅樹林頭は、「提言というよりも契機の言葉です」と前置きしてメッセージを始めた。
「特に[破]の稽古では『5.』このことを強調していいと思う。
文体編集術も、まず本ありきで、単に自分が書きたいことを書くわけではない。
クロニクル編集術もすでに起こったことを編集していく。
物語編集術も翻案をされるべき映画を型とし、物語を創文する。
プランニングでは選んだ千夜千冊が与件となる。
学衆にとっては、[破]とはこうした与件からはじまる編集稽古である。」
では師範代や師範への与件はどうか。
「コロナウイルスのパンデミックを抱える今だから出てくる回答もある。
またイシス編集学校としては20周年の年でもある。
[守]の冒頭メッセージでも話したとおり、師範代はこうした与件を引き受けながらチャンスにしていって欲しい。
師範とすれば、文体編集術で木村月匠へのインタビューをしてみたり、
クロニクル稽古にイシスの20周年史を重ねるなど、色々な可能性がある。」
編集へ向かうエンジンはどこにあるのか。
「イシス編集学校にはカノンはないけれど、『志』はある。
固定的なターゲットはないが、方向性はある。」
「志」の字義は、足跡の下の心。ある方向に差し掛かる動向を指す。
千夜千冊1489夜 佐藤一斎『言志四録』を引用しつつ「言志」へ至る。
「6つの編集ディレクションは判断の軸でもあるし、編集方針でもある。
その志を言葉にして隠さず表明していくこと、場に放ち続けていくことが『言志』だ。」
さらに一斎の千夜千冊を共読する。
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一斎は、世の中に「世間の志」を「古今の志」とするのがいいと奨めるのだ。
「世間の志」は散らばって報道される志だから、これにいちいち目を奪われて一喜一憂していると、せっかくの志も定まらない。
そこで、その志に「古今の志」を入れこむのである。自身で古を尋ねて、それを今とするのだ。このとき言葉を貫く。
世間に古今を入れるための言葉を磨く。
一斎はこのように考え、「世間」から「古今」への転換をはかることこそを「学」と呼んだのだった。
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「世間の志」から「古今の志」へ。
「『世間の志』は状況に応じて動いていく。
世間の評価や価値観は変化する。ブレていく。
だから正解や正義を世間に委ねるのは危険。
古今への転換とは、本来から将来へ向かうことである。
志を持ち、地を今に、その先頭を44[破]が切っていく一座となって欲しい。」
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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